初めてトイプードルのカット料金表を見たとき、「月に8,000円もかかるの?」と驚いた飼い主は少なくないはずです。フード代より高いケースもあるトリミング費用は、犬種やメニューの選び方で年間数万円の差が開きます。

一般社団法人ペットフード協会の「2024年 全国犬猫飼育実態調査」によると、犬1頭あたりのシャンプー・カット・トリミング費用は月間4,305円、年間に換算すると約51,660円。フード代(月間3,900円)を上回り、医療費に次ぐ大きな定期支出です。ただ、この平均値にはトリミング不要の短毛種も含まれているため、カット必須の犬種を飼うなら年間7万〜10万円が現実的なラインになります。

犬種別のトリミング料金相場

トリミング料金を決める要素は、体のサイズと被毛のタイプの2つです。毛が伸び続けるシングルコートの犬種はカットが必須で、1回あたりの料金も高くなります。ダブルコートの犬種はカットの必要がなく、シャンプーコースだけで十分な場合がほとんどです。

小型犬の料金

犬種シャンプーコースカットコースカットの要否推奨頻度
チワワ(スムース)3,000〜4,500円カット不要不要月1回
チワワ(ロング)3,500〜5,000円4,500〜6,500円任意月1回
ミニチュアダックスフンド(ロング)3,500〜5,000円4,500〜6,500円任意月1〜2回
トイプードル4,500〜6,500円6,000〜10,000円必須月1回
ポメラニアン4,000〜5,500円5,500〜7,500円任意月1回
ミニチュアシュナウザー4,500〜6,000円6,000〜8,500円必須月1回
ヨークシャーテリア4,000〜5,500円5,500〜8,000円必須月1回
シーズー4,000〜5,500円5,500〜8,000円必須月1回
マルチーズ4,000〜5,500円5,500〜8,000円必須月1回

中型犬・大型犬の料金

犬種シャンプーコースカットコースカットの要否推奨頻度
柴犬4,500〜6,000円カット不要不要月1回
コッカースパニエル5,000〜7,000円7,000〜10,000円必須月1回
ゴールデンレトリバー7,000〜10,000円8,000〜13,000円任意月1回
ラブラドールレトリバー6,000〜9,000円カット不要不要月1回
スタンダードプードル8,000〜12,000円12,000〜20,000円必須月1回

トイプードルやミニチュアシュナウザーのようなシングルコートの犬種は、カットの間隔を2か月以上空けると毛玉が増え、皮膚が蒸れて炎症を起こすリスクがあります。毛玉がひどい状態でサロンに駆け込むと、ほぐし料金として500〜2,000円が上乗せされることも。結果的に月1回通う方がコストを抑えやすいでしょう。

柴犬やラブラドールレトリバーのようなダブルコートの犬種は、被毛が一定の長さで止まるためカットは不要です。シャンプーコースを月1回利用するのが一般的ですが、換毛期(春と秋)には抜け毛が大量に出るため、アンダーコート除去のオプション(+1,000〜3,000円)を追加する飼い主も少なくありません。

シャンプーコースとカットコースの内容比較

サロンのメニューはシャンプーコースとカットコースの2本立てが基本です。どちらにも爪切り・耳掃除・肛門腺絞りなどの基本ケアが含まれています。

施術内容シャンプーコースカットコース
シャンプー・ブロー含む含む
爪切り含む含む
耳掃除含む含む
肛門腺絞り含む含む
足裏バリカン含む含む
全身カットなし含む
所要時間の目安1〜1.5時間2〜3時間

肛門腺絞りは自宅での対応が難しいケアの代表格です。小型犬は肛門腺が詰まりやすく、放置すると肛門嚢炎に発展するケースもあるため、月1回サロンでケアしてもらえるのは衛生面で大きなメリットといえます。

カットコースの所要時間は犬種やカットスタイルで差があり、テディベアカットやラムクリップなどデザインを指定する場合は3時間近くかかることもあります。長時間の施術は犬にストレスがかかるため、初めてのサロンではシャンプーコースから試し、犬の反応を見てからカットコースに切り替えるのが無難です。

オプション料金の目安

基本コースに加え、犬の状態や飼い主の希望に応じたオプションメニューを用意しているサロンがほとんどです。利用頻度が高いものをまとめました。

オプション費用の目安利用の目安
薬用シャンプー+500〜1,500円アトピーやフケなど皮膚トラブルがある場合
マイクロバブル浴+1,000〜2,000円毛穴の汚れ除去、皮膚のかゆみ対策
歯磨き+500〜1,000円歯石予防。3歳以上の犬に推奨されることが多い
デザインカット+1,000〜3,000円テディベアカット、モヒカンカットなどスタイル指定
部分カット(顔・足先)+500〜1,500円次回カットまでの間に目周りや足先だけ整えたいとき
毛玉ほぐし+500〜2,000円毛玉の範囲に応じて変動。全身だと2,000円超も
アンダーコート除去+1,000〜3,000円ダブルコート犬種の換毛期(春・秋)
ハーブパック+1,500〜3,000円被毛のツヤ出し、虫除け効果
炭酸泉浴+500〜1,500円血行促進、被毛のふんわり感向上

毛玉ほぐしの料金は程度によって幅があり、全身にひどい毛玉がある場合は2,000円以上に跳ね上がります。自宅でのブラッシングを日常的に行っていれば毛玉の発生自体を防げるため、日々の5分が直接サロン代の節約につながるわけです。

年間費用シミュレーション

月1回の利用を前提に、犬種ごとの年間費用を試算しました。シャンプーだけで済む犬種とカットが必要な犬種では、年間で数万円の差が出ます。

犬種コース1回の費用(中央値)年間費用オプション加算の目安
チワワ(スムース)シャンプーのみ3,750円45,000円+6,000〜12,000円
ミニチュアダックスフンド(ロング)カット5,500円66,000円+6,000〜12,000円
トイプードルカット8,000円96,000円+12,000〜24,000円
ミニチュアシュナウザーカット7,250円87,000円+12,000〜24,000円
ゴールデンレトリバーカット10,500円126,000円+12,000〜24,000円
スタンダードプードルカット16,000円192,000円+18,000〜36,000円

チワワ(スムース)の年間約45,000円とスタンダードプードルの約19万円では4倍以上の差があります。ここにオプション料金が月1,000〜3,000円加わると、年間でさらに1〜3万円の上乗せです。

ペットフード協会の全国平均(年間約51,660円)に対して各犬種の試算額が高く見えるのは、シャンプーのみの短毛犬種やトリミングを自宅で済ませている飼い主の数値が全体平均を押し下げているためです。カットが必要な犬種を飼う場合は、年間7万〜10万円をトリミング費の目安と考えておくのが現実的でしょう。

犬を迎える前に犬種ごとのトリミング費用をシミュレーションしておくと、飼育費全体の見通しが立てやすくなります。

トリミング費用を節約する5つの方法

トリミングサロンの費用を抑えるための具体的な方法を整理しました。

節約方法年間の削減目安向いている犬種
自宅ブラッシングの徹底(毛玉追加料金ゼロに)6,000〜24,000円全犬種
サロンの利用を2か月に1回に間引く年間費用の約半分短毛種、ダブルコート
足裏・顔まわりの部分カットだけ自宅で対応6,000〜18,000円全犬種
トリミングスクールの実習モデル犬に登録1回あたり50〜70%オフ全犬種
新規割引・回数券を活用10〜20%オフ全犬種

トリミングスクールの実習モデル犬は、学生が講師の監督のもとで施術を行うため通常料金の30〜50%で利用できます。仕上がりのクオリティは学生のスキルに依存しますが、費用を抑えたい方には選択肢の一つです。各スクールのWebサイトやSNSで募集していることが多いため、近くにスクールがあれば問い合わせてみてください。

自宅ケアとサロンの使い分け

すべてをサロン任せにせず、自宅でできるケアを取り入れれば利用間隔を調整できます。ただし「何でも自分でやる」のは現実的ではないため、犬種と飼い主のスキルに合わせた使い分けが大切です。

ケアの種類自宅での対応サロンに任せるべきケース
ブラッシング毎日5〜10分基本的に自宅で完結
シャンプー小型犬なら30分〜1時間で可能大型犬(乾燥不十分だと皮膚トラブルの原因に)
爪切りペット用爪切り(1,000〜1,500円)で対応可黒い爪の犬は血管が見えにくくプロが安全
肛門腺絞り自宅対応は難しいほぼすべての犬
足裏・足周りカットペット用バリカン(2,000〜5,000円)で可犬が暴れる場合、慣れていない場合
全身カットケガのリスクから自宅対応は非推奨すべての犬

ペット用バリカンは充電式のコードレスタイプが扱いやすく、パナソニック「ペットクラブ」シリーズやPateker製品など、2,000〜5,000円の価格帯でコンパクトなモデルが販売されています。足裏の毛だけなら慣れると5分で終わるため、手軽に始められる自宅ケアの一つです。

サロンの利用間隔を2か月に1回に延ばし、間のケアを自宅で行えば年間のサロン費用を半分に抑えることも可能です。ただし、トイプードルやビションフリーゼのように毛が絡まりやすい犬種は、間隔を空けすぎると毛玉ができて逆に追加料金がかさみます。犬種の被毛タイプに合わせた判断が欠かせません。

サロン選びで確認したいポイント

料金の安さだけで選ぶと、仕上がりや犬の扱いに不満が出ることがあります。愛犬が月1回通う場所になるため、技術と環境の両面を事前に確認しておきたいところです。

確認項目チェック方法なぜ重要か
料金表の公開ウェブサイト・店頭で確認会計時のトラブル防止
追加料金の条件電話または来店時に質問毛玉料金、サイズ加算の有無
トリマーの資格(JKC等)ウェブサイトのスタッフ紹介を確認B級以上で技術面の安定感
施術中の見学可否電話で確認犬の扱い方を自分の目で確認できる
送迎サービスの有無ウェブサイト・電話で確認車がない場合や大型犬の通院
老犬・持病のある犬への対応電話・来店時に相談シニア犬は施術中の体調変化に対応が必要

料金表がウェブサイトや店頭に掲示されているサロンは、毛玉料金や大きさ加算といった追加費用の条件も併記していることが多く、会計時のトラブルを避けやすい傾向があります。料金表に「〜」だけで上限が書かれていない場合は、来店前に電話で確認しておくのが確実です。

トリマーの資格も判断材料になります。JKC(ジャパンケネルクラブ)のトリマー資格にはC級からB級、A級、教士、師範の5段階があり、B級以上の保有者がいるサロンは技術面での安定感が期待できます。

犬がリラックスできるかどうかは、長く通ううえで見過ごせない要素です。施術中の見学を受け付けているサロンなら、犬の扱い方やスペースの広さを自分の目で確認できます。初回利用後に犬が震えていたり食欲が落ちたりしていないか、よく観察してみてください。

引越しを予定している方は、新居周辺のトリミングサロンの料金帯を事前にリサーチしておくと安心です。エリアによってはサロンの選択肢が限られ、料金が現在の1.3〜1.5倍になることもあります。

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参考情報

この記事の費用データは、一般社団法人ペットフード協会「令和6年 全国犬猫飼育実態調査」(2024年12月発表)の飼育費項目と、Coo&RIKU、Dog Select、アラモード、Furufuru、ペットサロンWish等のトリミングサロン公式料金表を参考に相場帯を算出しています(2026年4月時点)。トリマー資格の情報はJKC(ジャパンケネルクラブ)公式サイトに基づきます。ペット用バリカンの価格はAmazon掲載価格(2026年3月閲覧)を参照しました。料金はサロンの所在地やサイズ加算、オプション有無によって変動するため、利用前に各サロンへ直接ご確認ください。