犬を飼っていると、毎月のトリミング費用が家計を圧迫していると感じることがあるかもしれません。犬種によって被毛の伸び方が異なるため、トリミングの頻度や1回あたりの料金にはかなりの差があります。
年間のトリミング費用は、カットが必要な犬種で7万〜12万円、シャンプーのみの短毛犬種でも2万〜4万円程度。犬種ごとの相場と頻度を把握しておけば、飼い始める前の資金計画にも役立ちます。
小型犬のトリミング費用
小型犬は体が小さいぶん1回あたりの料金は比較的安めです。ただし、カットが必要な犬種では月1回の施術が欠かせないため、年間の累計額は意外に大きくなります。
| 犬種 | シャンプーコース | カットコース | 推奨頻度 | 年間費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| トイプードル | 4,000〜6,000円 | 6,000〜10,000円 | 月1回 | 72,000〜120,000円 |
| シーズー | 3,500〜5,000円 | 5,000〜8,000円 | 月1回 | 60,000〜96,000円 |
| マルチーズ | 3,500〜5,000円 | 5,000〜8,000円 | 月1回 | 60,000〜96,000円 |
| ヨークシャーテリア | 3,500〜5,000円 | 5,000〜7,000円 | 月1回 | 60,000〜84,000円 |
| ポメラニアン | 3,500〜5,000円 | 4,500〜7,000円 | 1〜2ヶ月に1回 | 27,000〜84,000円 |
| チワワ(ロング) | 3,000〜4,500円 | 4,500〜6,000円 | 2ヶ月に1回 | 27,000〜36,000円 |
| ミニチュアダックスフンド | 3,000〜4,500円 | 4,000〜6,000円 | 2ヶ月に1回 | 24,000〜36,000円 |
トイプードルは被毛が伸び続けるシングルコートの代表格で、カットを2ヶ月以上放置すると毛玉が絡まり、ブラシが通らなくなって皮膚トラブルの原因になります。テディベアカットやモヒカンカットなどのデザインカットを希望する場合は、通常のカットコースに1,000〜3,000円が上乗せされます。
チワワ(ロングコート)やミニチュアダックスフンドはダブルコートで、被毛が一定の長さで止まるため、カットの頻度は2ヶ月に1回程度で十分です。シャンプーコースだけで見た目を清潔に保てるため、年間費用を3万円前後に抑えることも可能です。
中型犬のトリミング費用
中型犬は体のサイズが大きくなるぶん、小型犬より1回あたり1,000〜2,000円ほど料金が上がります。
| 犬種 | シャンプーコース | カットコース | 推奨頻度 | 年間費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| コッカースパニエル | 5,000〜7,000円 | 7,000〜10,000円 | 月1回 | 84,000〜120,000円 |
| ボーダーコリー | 5,000〜7,000円 | 6,000〜8,000円 | 月1〜2回 | 60,000〜96,000円 |
| 柴犬 | 4,000〜6,000円 | - | 2〜3ヶ月に1回 | 16,000〜36,000円 |
| ビーグル | 4,000〜5,500円 | - | 2〜3ヶ月に1回 | 16,000〜33,000円 |
| ウェルシュ・コーギー | 4,500〜6,500円 | - | 1〜2ヶ月に1回 | 27,000〜78,000円 |
柴犬やビーグルのような短毛のダブルコート犬種は、カットが不要なケースがほとんどです。シャンプーコースのみで2〜3ヶ月に1回の頻度なら、年間のトリミング費用は2万〜3.5万円に収まります。
コッカースパニエルはシングルコートで被毛が長く伸びるため、月1回のカットが欠かせません。耳周りの飾り毛のお手入れに手間がかかる犬種で、カットコースの料金も中型犬の中では高めの設定です。
柴犬やコーギーは換毛期(春・秋)に大量のアンダーコートが抜けます。この時期はサロンでのシャンプー+アンダーコート除去を月1回程度行うと、抜け毛の量を大幅に減らせます。アンダーコート除去は追加料金として1,000〜3,000円を設定しているサロンが多いため、事前に確認しておきましょう。
大型犬のトリミング費用
大型犬は同じメニューでも小型犬の1.5〜2倍の料金がかかります。体のサイズに比例して、シャンプーの使用量、ドライヤーの時間、トリマーの作業負担がすべて増えるためです。
| 犬種 | シャンプーコース | カットコース | 推奨頻度 | 年間費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| ゴールデンレトリバー | 7,000〜10,000円 | 10,000〜15,000円 | 1〜2ヶ月に1回 | 60,000〜180,000円 |
| スタンダードプードル | 8,000〜12,000円 | 12,000〜20,000円 | 月1回 | 144,000〜240,000円 |
| ラブラドールレトリバー | 6,000〜9,000円 | - | 2〜3ヶ月に1回 | 24,000〜54,000円 |
| バーニーズマウンテンドッグ | 8,000〜12,000円 | 10,000〜15,000円 | 月1〜2回 | 96,000〜180,000円 |
| シベリアンハスキー | 7,000〜10,000円 | - | 1〜2ヶ月に1回 | 42,000〜120,000円 |
スタンダードプードルのカットコースは1回12,000〜20,000円。月1回通うと年間15万〜24万円で、トイプードルの2倍近い費用です。ラムクリップやコンチネンタルクリップなどのショースタイルを希望する場合は、さらに3,000〜5,000円が上乗せされます。飼い始める前の予算計画は必須でしょう。
大型犬の受け入れを断るサロンもあるため、近隣に対応可能な施設があるかどうかも事前に調べておく必要があります。大型犬専門のサロンや出張トリミングサービスを利用する選択肢もあり、出張の場合は通常料金に加えて出張費(2,000〜5,000円)がかかるのが一般的です。
トリミング頻度を左右する要素
被毛のタイプが最大の決定要因です。シングルコートの犬種(トイプードル、シーズー、マルチーズ、ヨーキーなど)は被毛が伸び続けるため月1回のカットが基本になります。ダブルコートの犬種(柴犬、ラブラドール、ゴールデンレトリバーなど)は一定の長さで成長が止まるため、カットの頻度は少なくて済みます。
季節ごとのケア頻度も変わります。
| 季節 | シングルコート犬種 | ダブルコート犬種 |
|---|---|---|
| 春(換毛期) | 月1回カット | シャンプー月1回+毎日ブラッシング |
| 夏 | 月1回カット(サマーカット可) | 月1回シャンプー+週3〜4回ブラッシング |
| 秋(換毛期) | 月1回カット | シャンプー月1回+毎日ブラッシング |
| 冬 | 月1回カット(長めに残す) | 2ヶ月に1回シャンプー |
夏場にサマーカット(短めのカット)を希望する飼い主は多いですが、犬種によっては短くしすぎると紫外線から皮膚を守れなくなったり、毛質が変わったりするリスクがあります。ポメラニアンは特に注意が必要で、バリカンで全身を半分以下の長さまで刈り込むと、被毛がパサパサになったり「ポメハゲ」と呼ばれる脱毛症状を引き起こすことがあります。被毛が元の長さに戻るまでに半年〜3年かかるケースも報告されているため、サマーカットの前にトリマーへの相談は欠かせません。
トリミング料金に含まれるサービス
トリミングサロンの料金は、シャンプーコースとカットコースの2本立てが一般的です。それぞれに含まれる施術内容を把握しておくと、追加料金の発生を防げます。
| 施術内容 | シャンプーコース | カットコース |
|---|---|---|
| シャンプー・リンス | ○ | ○ |
| ブロー(ドライ) | ○ | ○ |
| 爪切り | ○ | ○ |
| 耳掃除 | ○ | ○ |
| 肛門腺絞り | ○ | ○ |
| 足裏バリカン | ○ | ○ |
| 足回りのカット | △(サロンによる) | ○ |
| 全身カット | × | ○ |
追加料金が発生しやすいオプションも整理しておきます。
| オプション | 追加料金の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 毛玉取り | 500〜1,500円 | 毛玉の量・範囲によって変動 |
| デザインカット | 1,000〜3,000円 | テディベアカットやモヒカンなど |
| 薬用シャンプー | 500〜1,500円 | 皮膚トラブルがある犬向け |
| 歯磨き | 500〜1,000円 | 歯石予防。導入サロンが増加中 |
| マイクロバブル浴 | 1,000〜2,000円 | 毛穴の汚れ除去、皮膚ケア効果 |
| アンダーコート除去 | 1,000〜3,000円 | 換毛期のダブルコート犬種向け |
毛玉が多いと追加料金がかさむため、自宅での日常的なブラッシングがそのままトリミング費用の節約につながります。シーズーやマルチーズは毛玉ができやすい犬種で、1日5分のブラッシングの有無がサロンでの仕上がり時間と料金に直結します。
自宅ケアで費用を抑える方法
毎月のトリミング費用を抑えたい場合、自宅でできるケアを取り入れるのが現実的です。すべてをセルフでやる必要はなく、プロに任せる部分と自分でやる部分を使い分けるとバランスが取れます。
ブラッシングの習慣化
ブラッシングは最も手軽で効果の高い自宅ケアです。毛玉を防ぐだけでなく、皮膚の血行を促進し、抜け毛の飛散を抑える効果もあります。
犬種に合ったブラシを選ぶのがポイントです。シングルコートの犬種にはスリッカーブラシとコームの組み合わせ(合計2,000〜3,000円)が向いています。ダブルコート犬種の換毛期にはファーミネーター(小型犬用4,000円前後、大型犬用5,500円前後)が定番ツールで、アンダーコートを効率よく除去できます。1日5〜10分のブラッシングを習慣にするだけで、毛玉取りの追加料金(500〜1,500円/回)を確実に回避できます。
自宅シャンプーの導入
シャンプーを自宅で行えば、サロンのシャンプーコース1回分(3,000〜6,000円)が浮きます。犬用シャンプーは1本1,000〜2,000円で1〜2ヶ月分持ちます。A.P.D.C.のティーツリーシャンプー(約1,500円/250ml)やゾイックのパピー用シャンプー(約1,200円/300ml)は獣医師やトリマーからの評価が高い製品です。
小型犬なら洗面台やバスタブで比較的簡単に洗えます。体重5kg以下のチワワやヨーキーなら、乾燥も含めて1時間あれば完了するでしょう。
ただし大型犬のシャンプーは体力的にかなり大変です。ゴールデンレトリバーやラブラドールはブローだけで30分〜1時間かかるうえ、十分に乾かさないと蒸れて皮膚トラブルの原因になります。大型犬は無理にセルフで行わず、サロンに任せた方が犬の健康面でも安心です。
部分カットのセルフ対応
目の周りの毛や足裏のバリカンなど、部分的なカットを自宅で行うことで、サロンに行く間隔を少し延ばせます。パナソニックの「ペットクラブ ER807PP」(約3,500円)は充電式で静音性が高く、初心者でも足裏や肛門周りのカットに使いやすいと評判です。慣れれば足裏の毛のカットは5分で終わります。
| 自宅ケア | 初期費用 | 月あたりの節約効果 |
|---|---|---|
| 毎日のブラッシング | 2,000〜5,500円(ブラシ代) | 毛玉取り料金500〜1,500円分 |
| 自宅シャンプー(月1回) | 1,000〜2,000円(シャンプー代) | シャンプーコース3,000〜6,000円分 |
| 足裏・目周りのバリカン | 2,000〜5,000円(バリカン代) | サロン間隔の延長で月1,000〜2,000円分 |
| 爪切り | 1,000〜1,500円(爪切り代) | サロンのオプション500〜1,000円分 |
年間で考えると、ブラッシング+自宅シャンプー+部分カットの組み合わせで2万〜5万円の節約が見込めます。
サロン選びで押さえたいポイント
トリミングサロンを選ぶ際は、料金だけでなくいくつかの要素を総合的に判断しましょう。
料金が相場より極端に安いサロンは、1頭あたりの施術時間が短かったり、トリマーの経験が浅い場合があります。初回はシャンプーコースだけをお試しで利用し、犬の反応やサロンの衛生状態を確認してから定期的に通うかどうか判断するのがおすすめです。
自宅からの距離も見落としがちなポイントです。犬は車酔いしやすい個体も多いため、できれば徒歩圏内か車で15分以内のサロンが理想的でしょう。月1回の通院が長距離移動になると、犬にストレスが蓄積します。
持病や皮膚トラブルがある犬の場合は、獣医師と連携した「メディカルトリミング」に対応するサロンや、動物病院に併設されたトリミング施設が安心です。薬用シャンプーの選定や皮膚の状態に応じた施術を受けられるため、皮膚疾患のある犬には心強い選択肢になります。
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参考情報
トリミング料金は全国のサロン公式サイト掲載料金およびくらしのマーケットマガジン、みんなのブリーダーの調査記事(2026年4月確認)を参考にした目安です。料金はサロンの所在地(都市部・地方)、トリマーの技術レベル、犬の被毛の状態によって前後します。犬種別の被毛タイプ(シングルコート・ダブルコート)の分類はJKC(ジャパンケネルクラブ)の犬種標準に基づいています。ポメラニアンのサマーカットに関する注意事項は、トリミングサロンDog Salon & Hotel Qu、動物病院サプリ等の専門記事を参照しました。セルフケア用品の価格はAmazon・楽天市場・ペットショップ店頭の実勢価格です。
犬のトリミング費用は犬種によって年間2万円台から24万円以上まで大きな差があります。シングルコートのトイプードルやシーズーは月1回のカットが必須で年間7万〜12万円、ダブルコートの柴犬やラブラドールはシャンプーのみで年間2万〜5万円が目安です。
自宅ケアとサロンの併用で年間2万〜5万円の節約が可能です。ファーミネーターでの日常ブラッシングは毛玉取り料金を防ぐだけでなく、犬の皮膚と被毛の健康維持にもつながります。飼い始める前に犬種ごとのトリミング頻度と年間費用を把握しておくことで、無理のない飼育計画が立てられるはずです。