猫をもう1匹迎えたいと思ったとき、最初に確認したいのが毎月の費用です。猫同士で遊べる、留守番の寂しさが減るといったメリットがある一方で、フード、猫砂、医療費、保険料は基本的に頭数分増えます。

アニコムの2025年分年間支出調査では、猫1頭にかけた年間支出は195,427円と報告されています。単純に2倍とは限りませんが、多頭飼いでは「共有できる費用」と「共有できない費用」を分けて考えることが大切です。

1匹増えると増える月額

費用項目1匹あたり月額共有可否
フード3,000〜8,000円ほぼ頭数分
おやつ500〜2,000円ほぼ頭数分
猫砂・トイレ用品1,000〜3,000円頭数で増える
医療費積立2,000〜5,000円頭数分
ペット保険1,500〜5,000円頭数分
爪とぎ・おもちゃ500〜2,000円一部共有
合計8,500〜25,000円中心は月8,000〜20,000円

健康な若い猫なら、1匹増えて月1万円前後で収まることもあります。シニア猫、療法食、長毛種、持病ありの場合は月2万円を超えやすくなります。

猫砂とトイレは削りにくい

多頭飼いで最も増えやすい消耗品が猫砂です。猫のトイレは「頭数+1個」が目安とされることが多く、2匹なら3個、3匹なら4個を置けるかが快適さに関わります。

方式月額の目安特徴
鉱物砂1,500〜4,000円/匹固まりやすいが重い
紙砂1,000〜3,000円/匹軽いが飛び散りやすい
木質砂1,000〜3,000円/匹におい対策に向く商品も
システムトイレ1,500〜3,500円/匹シートとチップ代がかかる

トイレを減らして節約すると、粗相、膀胱炎、猫同士のストレスにつながることがあります。猫砂はまとめ買いで単価を下げ、トイレ数は削らない方が結果的に安く済みやすいです。

共有できる費用

共有しやすいのは、キャットタワー、給水器、爪とぎの一部、暖房器具、見守りカメラ、空気清浄機です。ただし、共有できるからといって数が少なすぎると取り合いになります。

食器と水皿は猫ごとに分けると、食べた量や飲水量を把握しやすくなります。キャリーも災害時や同時通院を考えると頭数分必要です。初期費用では、2匹目以降もキャリー、トイレ、食器、寝床で1万〜3万円程度を見込んでおきましょう。

医療費は同時に発生する

多頭飼いの怖さは、医療費が同時期に重なることです。感染症、下痢、皮膚トラブル、ストレス性膀胱炎などは、複数頭で通院が必要になることがあります。

日本獣医師会の診療料金実態調査のとおり、診療費は診察、検査、薬、処置を合算します。1匹なら1回8,000円の通院でも、3匹なら24,000円です。ワクチンや健康診断も頭数分必要です。

保険加入の考え方

全頭に70%補償の保険をかけると、月々の固定費が大きくなります。一方で、1匹だけ高額治療になっても家計に響きます。

選択肢は、全頭を低〜中補償で加入する、若い猫は積立中心にする、持病リスクが高い猫だけ通院補償を厚くする、という分け方です。アイペットのように多頭割引を案内する会社もありますが、割引率より補償内容を優先してください。

失敗しがちなパターン

1匹目の費用感のまま迎えてしまい、猫砂と医療費で家計が苦しくなるケースがあります。特に、先住猫がシニア期に入っている場合、2匹目の初期費用と先住猫の通院費が重なることがあります。

また、相性が合わず部屋を分ける必要が出ると、トイレ、食器、爪とぎ、暖房が二重に必要になります。費用だけでなく、隔離できる部屋と時間の余裕も確認しましょう。

多頭飼いでは、誰がどれだけ食べたか分かりにくくなることも費用管理の盲点です。食欲低下や飲水量の変化に気づくのが遅れると、受診時には検査項目が増えやすくなります。食事場所を分け、体重を月1回記録しておくと早期受診につなげやすくなります。

まとめ

猫を1匹増やすと、月8,000〜20,000円程度の費用増を見込むと現実的です。フード、猫砂、医療費、保険は頭数分増え、キャットタワーや給水器は一部共有できます。多頭飼いでは、猫砂とトイレ数を削らず、医療費が同時に発生する前提で積立を作っておくことが大切です。

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数値・情報の参照元

  • 動物医療費: 公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査結果」をもとに編集部が整理
  • ペット保険の補償内容・保険料: 各保険会社公式サイト(2026年4月確認)
  • 飼育費・節約Tips: アニコム家庭どうぶつ白書および年間支出調査の公開データをもとに編集部が整理
  • 掲載数値・補償内容は参考値です。実際の保険料・補償条件は加入時の年齢・プランにより異なるため、各社公式サイトでご確認ください