「猫は犬より飼いやすいって聞くけど、実際に毎月いくらかかるの?」と気になっている一人暮らしの方は多いはずです。トリミングが不要で食事量も少ない猫は、たしかに犬よりもランニングコストは低めですが、住居費の上乗せやエアコン代といった「隠れコスト」を含めると、想定以上の出費になることもあります。

この記事では、一人暮らしで猫1匹を飼う場合にかかる費用を、純粋な飼育費用だけでなく住居費やエアコン代の増加分まで含めて算出しました。ペットフード協会の調査データと実際の相場をもとに、月額の全体像を把握できます。

猫の月間飼育費用は8,000〜15,000円が目安

ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査」では、猫1頭あたりの月間支出額は平均7,000〜9,000円程度と報告されています。ただし、ペット保険に加入している場合や、療法食が必要な猫の場合は月15,000円を超えることもあります。

費用項目月額の目安補足
キャットフード3,000〜5,000円ドライ+ウェットの併用が一般的
おやつ300〜800円ちゅ〜る等の液状おやつが人気
猫砂500〜1,500円素材によって大きく変動
トイレシート0〜500円システムトイレの場合のみ必要
医療費積立2,000〜3,000円急な通院に備えた月額貯金
ペット保険1,500〜3,000円年齢・補償内容により変動
おもちゃ・爪とぎ500〜1,000円爪とぎは消耗品で毎月の出費に
飼育費用の月額合計約8,000〜15,000円平均的には月10,000〜12,000円

SNSやペット系の掲示板で「月いくらかかってる?」という投稿を見ると、月10,000〜12,000円という回答が最も多いボリュームゾーンです。犬の月間費用(小型犬で約15,000〜20,000円)と比べると、およそ3〜5割ほど安く済む計算になります。

費用の差が出る項目を掘り下げる

キャットフードは「総合栄養食」を軸に選ぶ

体重4kgの成猫の場合、ドライフードの1日の給餌量は50〜70g程度です。1kgあたり1,000〜2,000円のスタンダードなフードを使えば、ドライフード単体で月2,000〜4,000円に収まります。

これにウェットフード(パウチや缶詰)を1日1パック程度足すと、月1,000〜2,000円の上乗せになります。ウェットフードは嗜好性が高いだけでなく、水分補給の役割も果たすため、尿路疾患の予防という意味でも取り入れる価値があります。猫はもともと飲水量が少ない動物なので、ウェットフードで自然に水分を摂れるのは大きなメリットです。

フード選びで迷ったときは、パッケージに「総合栄養食」と記載されている製品を選べば、その製品と水だけで必要な栄養素を満たせるよう設計されています。「一般食」「副食」はあくまでおかずのような位置づけで、単体では栄養が偏ります。

猫砂は素材選びで月額が500〜1,500円変わる

猫砂の素材は5種類ほどに分かれ、コスト感も使い勝手も大きく異なります。一人暮らしの場合は、ゴミ出しの手軽さや重さも重要な選択基準になります。

種類月額の目安コスパ重さトイレに流せるか
鉱物系(ベントナイト)500〜800円最良重い不可
紙系800〜1,200円普通軽い製品による
おから系800〜1,500円やや高い軽い製品による
シリカゲル系1,000〜1,500円やや高い軽い不可
木系(ペレット)600〜1,000円良いやや軽い製品による

コスパ重視なら鉱物系一択ですが、5〜10kgの袋を持ち運ぶ負担があります。マンションのエレベーターなしの物件に住んでいる場合、ネット通販の定期購入で玄関まで届けてもらうのが現実的でしょう。

意外と知られていないライフハックとして、猫砂の下にペットシーツを1枚敷いておくと、トイレ容器の汚れが劇的に減り、丸洗いの頻度を月2回から月1回程度まで減らせます。容器を洗う手間が減るだけでなく、においの軽減にも効果的です。

爪とぎは「使い捨て段ボール型」が実はコスパ最強

猫の爪とぎは消耗品として定期的な交換が必要です。段ボール製の爪とぎは1個300〜500円で、交換頻度は1〜2ヶ月に1回が目安になります。

高価な麻縄タイプやポール型は1台2,000〜5,000円しますが、耐久性が高く半年〜1年持つものもあるため、長い目で見ると段ボール型とコストは大差ありません。ただ、猫の好みは個体差が大きいため、まずは安い段ボール型で反応を見るのが失敗の少ない選び方です。

年に一度の臨時費用も忘れずに

月々の固定費とは別に、年に一度の医療費が発生します。

項目費用の目安備考
混合ワクチン(3種)4,000〜6,000円完全室内飼いでも年1回推奨
健康診断5,000〜10,000円血液検査込みだと1万円前後
ノミ・ダニ予防6,000〜12,000円完全室内飼いなら要否を獣医に相談
臨時費用の合計約15,000〜28,000円月割りで約1,300〜2,300円

完全室内飼いの猫でも、ワクチンの接種は推奨されています。動物病院で他の猫と接触する可能性があるためです。ノミ・ダニ予防については、完全室内飼いなら投与を省略できるケースもあるので、かかりつけ医に相談してみましょう。省略できれば年間6,000〜12,000円の節約になります。

一人暮らし特有の「隠れコスト」を見落とさない

猫の飼育費用だけを見ると月1万円前後ですが、一人暮らしの場合はこれに加えて住居費やエアコン代の上昇分がのしかかってきます。この「隠れコスト」を含めた実質コストを把握しておかないと、家計がじわじわ圧迫される原因になります。

住居費は月5,000〜10,000円の上乗せ

ペット可物件は一般的な物件より家賃が5,000〜10,000円高い傾向にあります。敷金も1ヶ月分上乗せされるケースが多く、たとえば家賃7万円の物件なら、敷金が7万円余計にかかる計算です。月々の家賃差額だけで年間6〜12万円の追加出費です。

ペット可物件が多いエリアを選ぶと競争が緩和されて家賃の上乗せ幅が小さくなる傾向があるため、物件探しの段階でエリア選定にも目を向けておきましょう。

エアコン代は月2,000〜5,000円の増加

猫は暑さに弱く、夏場はエアコンを24時間稼働させる飼い主がほとんどです。電気代は月3,000〜5,000円ほど上がります。冬場も暖房を稼働させる場合は同程度の上乗せです。

エアコン代の節約には、サーキュレーターの併用やフィルターの月1回掃除が効果的です。それだけで月500〜1,000円程度の削減が期待できます。

ペットシッター・ペットホテルの費用

一人暮らしだと出張や旅行のときに代わりの世話人がいないことも多く、年に数回はペットシッター(1回2,000〜4,000円)やペットホテル(1泊3,000〜5,000円)の利用が想定されます。年間で10,000〜30,000円、月割りだと800〜2,500円です。

全部込みの実質月間コストを計算する

ここまでの費用を合算した、一人暮らしで猫1匹を飼う場合の実質的な月間コストは次のとおりです。

項目月額換算
飼育費用(フード・猫砂・保険等)8,000〜15,000円
家賃の上乗せ分5,000〜10,000円
エアコン代の増加分2,000〜5,000円
臨時費用の月割り1,300〜2,300円
ペットシッター等の月割り800〜2,500円
実質月間コスト約17,000〜35,000円

純粋な飼育費用だけなら月1万円前後ですが、住居費やエアコン代まで含めると月2万〜2.5万円が現実的なラインです。年収で見ると、手取り月収18万円以上あれば無理なく飼育を続けられるでしょう。

一人暮らしで実践しやすい節約テクニック

ネット通販の定期便でフードと猫砂をまとめ買いする

ドラッグストアで都度購入するよりも、Amazonの定期おトク便やペットショップのオンラインストアで定期購入するほうが10〜15%安くなるケースが多いです。猫砂のように重い消耗品は配送してもらうだけでも時間と体力の節約になります。

ペット保険は0〜1歳のうちに加入する

猫のペット保険は年齢が上がるほど保険料が高くなります。0〜1歳で加入すれば月1,500円前後のプランも選べますが、5歳以降は月3,000円以上になることが珍しくありません。複数社の見積もりを比較するサイトを使えば、10分程度でプランの比較ができます。

おもちゃはまず100均で試す

猫のおもちゃは100円ショップの商品で十分遊べるものが見つかります。ねこじゃらしやボール、トンネルなど、猫が飽きたら気軽に入れ替えられるのも100均の強みです。高価な自動おもちゃを買う前に、まず100均で猫の好みを探ってみてください。

完全室内飼いならノミ・ダニ予防を獣医に相談する

完全室内飼いの猫であれば、ノミ・ダニ予防薬の投与が不要なケースもあります。かかりつけ医に生活環境を伝えて相談すれば、年間6,000〜12,000円の節約につながる可能性があります。ただし自己判断で中止するのは避けてください。

まとめ

一人暮らしで猫1匹を飼う場合、純粋な飼育費用は月8,000〜15,000円が目安です。ただし住居費の上乗せやエアコン代を含めると、実質的には月2万〜2.5万円程度かかると見ておくのが安全です。

犬と比べてトリミングが不要で食事量も少ないぶん、ペットの中ではコンパクトな費用で飼育できることは事実です。ただし、突然の病気やケガで数万円の出費が発生するリスクもあるため、医療費の積立やペット保険の加入は早めに検討しておきましょう。まずはフードと猫砂の定期購入から始めて、月々の出費を見える化するのが第一歩です。

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参考情報

この記事の費用データは以下の調査・資料を参考にしています。月間支出額の平均は一般社団法人ペットフード協会「2024年 全国犬猫飼育実態調査」に基づいています。ワクチン費用・健康診断費用は日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」令和5年度の料金分布を参照しました。猫砂やフードの価格はAmazon・楽天市場・ペットショップ店頭の実勢価格(2026年4月確認)を元にした目安です。ペット可物件の家賃上乗せについてはSUUMO・HOME’Sのペット可物件検索結果から一般的な傾向として記載しています。