毎月の飼育費で最も確実にかかるのがフード代です。ペットフード協会の2024年調査によると、犬1頭あたりの月額フード代は平均5,765円、猫は4,295円。年間に直すと犬で約69,000円、猫で約52,000円になります。

ただし「平均」は幅広い価格帯のフードを混ぜた数字であり、選ぶ商品で月々の支出は2倍以上変わるのが実情です。4kgの成猫にエコノミーフードを与えれば月600円で済みますが、スーパープレミアムフードなら月7,500円。この差は年間で8万円以上にもなります。

ここでは犬と猫のフード費用をタイプ別・グレード別に比較し、具体的な商品名と価格を交えながらコストパフォーマンスの良い選び方を整理しました。

ドッグフードの月額費用 ― サイズ別の目安

犬のフード費用は体重で大きく変わります。小型犬と大型犬では1日の摂取量が数倍異なるため、月額にも相当な差が出ます。

犬のサイズ体重目安1日の給餌量ドライフード月額年間費用の目安
超小型犬〜4kg50〜80g1,500〜3,000円18,000〜36,000円
小型犬4〜10kg80〜180g2,000〜5,000円24,000〜60,000円
中型犬10〜25kg180〜350g3,500〜8,000円42,000〜96,000円
大型犬25〜45kg350〜550g5,000〜12,000円60,000〜144,000円
超大型犬45kg超550g以上8,000〜18,000円96,000〜216,000円

同じ体重帯でもフードのグレードで月額は変わります。たとえば5kgのトイプードルの場合を見てみましょう。

ブランド容量・価格月額目安
ニュートロ シュプレモ3kg / 約4,500円約2,250円
ロイヤルカナン ミニアダルト4kg / 約5,500円約2,000円
ヒルズ サイエンスダイエット3.3kg / 約3,500円約1,600円
オリジン オリジナル2kg / 約5,500円約4,100円
アカナ クラシック2kg / 約4,200円約3,100円

ロイヤルカナンのミニアダルトは大容量パックの割引が効きやすく、4kgで約5,500円(1kgあたり約1,375円)。800gパックだと約1,500円(1kgあたり約1,875円)なので、大容量を買うだけで約27%安くなります。ただし開封後のドライフードは酸化するため、1ヶ月以内に使い切れる量が購入の原則です。

キャットフードの月額費用 ― グレード別の比較

猫は犬より体重が小さいため、フード代は比較的抑えやすい傾向にあります。成猫の体重は3〜5kgが一般的で、1日の給餌量は50〜70g。

グレード代表ブランド1kgあたり価格月額目安(4kgの成猫)
エコノミーキャネット、ミオ300〜600円600〜1,200円
スタンダードピュリナワン、銀のスプーン800〜1,500円1,200〜2,500円
プレミアムロイヤルカナン、ヒルズ1,500〜3,000円2,500〜5,000円
スーパープレミアムオリジン、アカナ2,500〜4,500円4,000〜7,500円
療法食ロイヤルカナン療法食、ヒルズi/d等2,500〜5,000円4,000〜8,000円

療法食は獣医師の指示で使うフードです。猫は高齢になると腎臓病や尿路結石のリスクが高まり、7歳以上の猫の約3割が慢性腎臓病を発症するとされています。療法食への切り替えが必要になると月額が倍近くに跳ね上がるため、生涯の飼育費を見積もるなら織り込んでおくべきコストです。

ロイヤルカナンの「腎臓サポート」2kgパックで約3,500円、ヒルズの「k/d」2kgパックで約3,800円が目安。4kgの猫なら月1袋のペースです。

ドライフードとウェットフードの比較

フードはドライとウェットで栄養面・コスト面・保存性がかなり違います。

比較項目ドライフードウェットフード
月額費用(4kgの成猫)1,200〜5,000円5,000〜15,000円
1食あたりのコスト20〜80円80〜300円
保存性開封後1ヶ月程度開封後は当日消費
水分量約10%約75〜80%
栄養バランス総合栄養食が主流一般食(おかず扱い)が多い
嗜好性(食いつき)普通高い
歯の健康噛むことで歯石がつきにくい歯垢がつきやすい

ウェットフードだけで1ヶ月まかなうと、4kgの猫でも月5,000〜15,000円。ドライフードの3〜5倍です。

コストを抑えつつ食いつきと水分補給を両立するなら、ドライフードを主食にしてウェットフードを少量トッピングする「混合スタイル」が現実的。朝はドライのみ、夜はドライにウェットを大さじ1〜2杯加えるパターンなら月3,000〜6,000円に収まるケースが多いです。猫は水分摂取量が不足しがちなため、ウェットフードのトッピングは泌尿器系トラブルの予防にもつながります。

グレード別のコスト比較表

フードの価格差は原材料の品質に大きく左右されます。犬・猫を横並びで比較しました。

グレード主原料の傾向犬の月額(5kg)猫の月額(4kg)代表ブランド
エコノミー穀物主体、ミール1,000〜2,000円600〜1,200円愛犬元気、キャネット
スタンダード肉+穀物のバランス型2,000〜3,500円1,200〜2,500円ピュリナワン、ビューティープロ
プレミアム良質な肉が第一原料3,000〜5,000円2,500〜5,000円ロイヤルカナン、ヒルズ
スーパープレミアムヒューマングレードの肉・魚4,500〜7,000円4,000〜7,500円オリジン、アカナ、ZIWI

エコノミーとスーパープレミアムの差は月額で3,000〜5,000円、年間で36,000〜60,000円。安さだけで選んだ結果、体調を崩して動物病院に通うことになれば、フード代の差額では済まない出費が発生します。「長い目で見たトータルコスト」の視点は持っておいて損はないでしょう。

とはいえ高ければ必ず良いというわけでもありません。愛犬・愛猫の体質・年齢・活動量に合ったフードを選ぶことが一番大切で、かかりつけの獣医師に相談して決めるのが確実です。

フード選びで見るべきポイント

パッケージ裏の表示から読み取れる情報は意外と多いです。

原材料表示は使用量の多い順に記載されるルール。先頭に「鶏肉」「サーモン」などの具体的な名称が来ているフードは、タンパク源を主体にした設計です。「肉類」「家禽ミール」のように原料が曖昧な表記になっている場合は、品質のばらつきがある可能性を考慮しましょう。

表示項目見るべきポイント
原材料名(第1〜3位)肉・魚が上位に来ているか
成分表示(粗タンパク質)犬は18%以上、猫は26%以上が目安
「総合栄養食」の表記これ一つで栄養が足りる設計か
AAFCO基準準拠の表記米国飼料検査官協会の栄養基準を満たしているか
原産国品質管理基準は国によって異なる
賞味期限購入時の残り期間が十分にあるか

「グレインフリー(穀物不使用)」は近年人気のキーワードですが、犬猫の健康に必ずしもプラスになるとは限りません。2019年にFDA(米国食品医薬品局)がグレインフリーフードと犬の拡張型心筋症(DCM)の関連を調査した報告もあります。穀物アレルギーが確認済みの場合を除き、グレインフリーにこだわる理由は薄いでしょう。

フード代を節約する5つの方法

品質を大きく落とさずにコストカットできる方法を優先順位順に紹介します。

方法節約効果注意点
大容量パック20〜30%OFF1ヶ月で使い切れる量で。密閉容器は必須
定期購入(サブスク)5〜15%OFFAmazonおトク便は5〜15%引き。解約条件を事前確認
ポイント還元の活用実質3〜10%OFF楽天スーパーセール、Amazonプライムデーが狙い目
サンプル・試供品無料新フードの試食に。メーカー公式サイトで配布していることが多い
ふるさと納税実質2,000円負担一部自治体でペットフードが返礼品になっている

ロイヤルカナンやヒルズの公式サイトでは定期便で10%前後の割引があります。毎月のフード購入が確定しているなら、定期便に切り替えるだけで年間数千〜1万円浮く計算。Amazonの定期おトク便も5〜15%オフが適用されます。

2024〜2025年はフード原材料の値上げが相次ぎました。K9ナチュラル、Britプレミアム(約13〜15%アップ)、POCHIシリーズなど大手から中堅まで幅広く改定されており、まとめ買いや定期便の活用がこれまで以上に効いてきます。

フードの切り替え方

フードを変えるときは、1〜2週間かけて徐々に新しいフードの比率を上げていくのが基本です。

日数旧フード新フード
1〜3日目75%25%
4〜6日目50%50%
7〜9日目25%75%
10日目以降0%100%

急な切り替えは下痢や嘔吐の原因になります。便の状態を毎日確認し、軟便が続くなら一段階前に戻して様子を見てください。それでも改善しなければ、体質に合っていない可能性があるため別の製品を検討するか獣医師に相談を。

フード切り替え中に動物病院に駆け込むことになれば、結局フード代以上の出費になってしまいます。焦らず段階的に進めるのが結果的に一番経済的です。

関連記事: 犬を飼う費用の完全ガイド。月額・年間・生涯コストを解説

関連記事: 犬を飼うと月いくらかかる?サイズ別の費用内訳と節約術

関連記事: 猫を飼うと月いくら?一人暮らしの費用内訳と隠れコスト

関連記事: 猫を飼う費用の完全ガイド。月額・年間・生涯コストを解説

参考情報

この記事の費用データは、一般社団法人ペットフード協会「2024年 全国犬猫飼育実態調査」の飼育費用データ、および各ブランド公式サイト・Amazon・楽天市場の価格情報(2026年4月確認)を参考にしています。フードの価格は販売店や時期によって変動します。グレインフリーフードと心臓病の関連については、FDA(米国食品医薬品局)の2019年調査報告に基づいています。2024〜2025年の値上げ情報はドッグフード勉強会、キャットフード勉強会の調査を参照しています。