夏は犬猫の皮膚トラブルが増えやすい季節です。高温多湿で皮膚や被毛が蒸れ、ノミ・マダニなどの外部寄生虫も活発になります。特に被毛が密な犬、皮膚が弱い犬猫、シニアでは早めの観察が大切です。

犬の急性湿性皮膚炎、いわゆるホットスポットは、短時間で赤みや湿った炎症が広がることがあります。家庭でできる予防と、動物病院へ行く目安を分けて整理しましょう。

夏に増えやすい皮膚トラブル

トラブル主なサイン注意点
蒸れによる皮膚炎赤み、かゆみ、におい脇、内股、首輪周りに出やすい
ホットスポット湿った赤い炎症、強い舐め噛み進行が早く受診推奨
ノミ・マダニかゆみ、黒い粒、付着したマダニ予防薬と環境清掃が必要
外耳炎耳のにおい、頭を振る垂れ耳や水遊び後に注意
肉球のやけど赤み、歩きたがらない日中のアスファルトを避ける

猫では犬ほど水遊びや屋外散歩は多くありませんが、室内の高温多湿、過剰グルーミング、ノミ、アレルギーで皮膚トラブルが出ることがあります。完全室内飼いでも、かゆみや脱毛があれば確認が必要です。

家庭でできる予防

湿度と室温を管理する

夏の皮膚トラブルでは、室温だけでなく湿度も重要です。エアコンの除湿、サーキュレーター、寝床の通気性を見直します。ベッドやマットは洗えるものを選び、湿った状態で放置しないようにします。

散歩と水遊び後に乾かす

雨の日の散歩、川遊び、シャンプー後は、被毛の根元まで乾かします。表面だけ乾いていても、脇や内股、耳の下が湿っていることがあります。ドライヤーは熱風を近づけすぎず、低温や送風を使います。

ブラッシングで通気性を保つ

抜け毛がたまると、皮膚の通気性が悪くなります。短毛犬猫でも換毛期は毛が残ります。長毛やダブルコートでは、毛玉やフェルト状の固まりが皮膚を引っ張り、蒸れの原因になることがあります。

ケア頻度目安費用目安
ブラッシング短毛週2〜3回、長毛は毎日ブラシ500〜3,000円
シャンプー状態により月1回前後自宅500〜2,000円、サロン数千円〜
ノミ・マダニ予防月1回タイプが多い1回1,200〜3,000円程度
皮膚診察症状時5,000〜15,000円程度になることも

シャンプーは増やせばよいわけではありません。皮膚に合わないシャンプーや洗いすぎは、乾燥や刺激につながることがあります。赤みやかゆみがある時は、薬用シャンプーを自己判断で使わず動物病院で相談してください。

動物病院へ行く目安

症状受診の目安
赤みが急に広がる早めに受診
湿ってじゅくじゅくしている当日〜翌日中に相談
強く舐める、噛む、眠れない早めに受診
膿、悪臭、出血がある早めに受診
耳を強くかく、頭を振る外耳炎の相談
市販ケアで悪化した使用を止めて相談

皮膚トラブルでは、細菌、真菌、寄生虫、アレルギー、内分泌疾患など原因が複数あります。見た目だけで判断するのは難しいため、薬剤名や塗り薬を自己判断で選ぶのは避けましょう。

犬猫別の注意点

犬では、首輪やハーネスの下、脇、内股、耳の周りが蒸れやすい場所です。散歩後にタオルで足先や体を拭いたら、指の間まで乾いているか確認します。

猫では、同じ場所をしつこく舐めることで脱毛や赤みが出ることがあります。ストレスだけでなく、かゆみや痛みが原因のこともあります。エリザベスカラーで舐めるのを止めるだけでは根本対応にならないため、原因を確認してください。

夏の住まいの工夫

寝床は通気性のよい素材を選び、洗い替えを用意します。クッションや毛布は湿気をためやすいため、週1回を目安に洗濯・乾燥します。ペット用冷感マットは便利ですが、表面に汚れや湿り気が残ると皮膚に刺激になることがあります。

散歩は早朝か日没後にし、帰宅後は足裏、腹部、耳の周りを確認します。アスファルトを手の甲で触り、熱いと感じる時間帯は避けてください。

まとめ

夏の皮膚トラブル対策は、湿度管理、乾燥、ブラッシング、外部寄生虫予防が基本です。ホットスポットのように進行が早い皮膚炎では、家庭ケアで引っ張らず早めに受診します。

皮膚の赤みやかゆみにはさまざまな原因があり、薬やシャンプーの自己判断は悪化につながることがあります。症状が続く、広がる、においが強い場合は、動物病院で相談してください。

よくある質問

犬猫にもあせもはありますか?

人のあせもと同じ表現で診断されるとは限りませんが、高温多湿で蒸れ、赤みやかゆみが出ることがあります。症状が続く場合は皮膚炎として動物病院で相談してください。

ホットスポットは家で様子を見てもよいですか?

急に赤く湿った皮膚になり、舐める・噛む行動が強い場合は悪化が早いことがあります。自己判断で薬を塗らず、早めに動物病院へ相談してください。

夏の皮膚トラブル予防にシャンプーを増やすべきですか?

洗いすぎると皮膚の乾燥や刺激につながることがあります。頻度やシャンプー剤は皮膚の状態に合わせ、トラブルがある場合は動物病院で相談します。

皮膚病の診療費はどのくらいかかりますか?

診察のみなら数千円、検査や薬が加わると5,000〜15,000円程度になることがあります。症状や検査内容、病院により変わります。


数値・情報の参照元

  • ワクチン費用・診療費目安: 公益社団法人 日本獣医師会の家庭飼育動物の診療料金実態調査結果(2024年度版)をもとに編集部が整理
  • 夏の皮膚トラブル・ホットスポット情報: 動物病院公開資料、ペット保険会社の獣医師確認記事(2026年4月確認)をもとに編集部が整理
  • ノミ・マダニ予防薬の使用情報: 各製薬会社公式情報(2026年4月確認)
  • 掲載数値・治療法は参考値です。具体的な治療や薬の使用は動物病院でご相談ください