多摩湖(村山貯水池)周辺は、リード着用で犬の散歩ができます。堤防上の遊歩道、全長約21.9kmの多摩湖自転車道、隣接する都立狭山公園の3エリアがいずれもペット同伴可能です。ただし東京都水道局が管理する湖面・湖岸・水道施設の管理区域は立ち入り禁止で、犬を水に入れることもできません。

冬晴れの朝、堤防に立つと富士山のシルエットが水面の先にくっきりと浮かぶ。春は桜のトンネルになる多摩湖自転車道を歩き、秋は狭山公園の雑木林で落ち葉を踏みしめる。都心から西武線で1時間足らずの距離にありながら、この開放感は都内の公園ではなかなか味わえません。

エリア別ペットルール

多摩湖周辺は管理者が複数に分かれており、エリアによってルールが異なります。

エリアペット同伴備考
堤防上の遊歩道可(リード必須)東京都水道局管理。湖面・湖岸への立ち入りは禁止
多摩湖自転車道可(リード必須)自転車歩行者専用道路。自転車に注意
都立狭山公園可(リード必須)排泄物持ち帰り。おしっこは場所を選ぶこと
湖面・湖岸不可水道水源のため犬を水に入れることも禁止
水道施設管理区域不可フェンスで囲われたエリア

狭山公園の公式サイトには、犬連れの散歩について以下の案内があります。

リードは放さないでください。犬のフンや毛はきちんとお持ち帰りください。犬のおしっこについては、場所を選んでさせるようにしてください。

出典: 狭山公園パークセンター公式サイト(2026年4月確認)

ノーリード・ロングリードでの散歩は全エリアで禁止されています。堤防周辺には自動販売機が1か所あるだけで水飲み場もないため、犬用の飲み水は500ml以上持参するのが安心です。

多摩湖とは

多摩湖の正式名称は村山貯水池。東京都東大和市と埼玉県所沢市にまたがる人工湖で、東京都の水道水源として管理されています。1927年に完成した歴史ある貯水池で、村山下貯水池第一取水塔は東京都選定歴史的建造物に、貯水池本体は土木学会選奨土木遺産・ダム湖百選・近代水道百選に選定されています。

性格の異なる3つの散歩コースを1か所で楽しめるのが最大の魅力です。堤防からの眺望、自転車道の桜並木、狭山公園の雑木林と、同じ場所にいながら景色ががらりと変わります。

おすすめ散歩コース

堤防コース(約1.2km / 所要20〜30分)

多摩湖の堤防は全長約600mの遊歩道になっています。アスファルト舗装で平坦なため、シニア犬やベビーカーでも歩きやすい環境です。堤防の幅は約10mあり、犬連れですれ違っても余裕があります。

堤防を端から端まで歩き、折り返して約1.2km。天気の良い日は富士山、丹沢山系、奥多摩の山並み、西武ドームが一望できます。冬の晴れた朝は空気が澄んで富士山がくっきりと見え、多摩エリアでもトップクラスのビュースポットです。

堤防の東端には西武園ゆうえんちの観覧車、西端からは多摩湖の全景が見渡せるため、行きと帰りで異なる景色を楽しめます。足腰に負担をかけたくないシニア犬や、お散歩デビュー間もない子犬にも向いています。

多摩湖自転車道ショートコース(約4km / 所要60〜80分)

多摩湖自転車道(正式名称は東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線)は、西東京市の東伏見から多摩湖まで約21.9km続く自転車歩行者専用道路です。全線を歩く必要はなく、多摩湖駅周辺から2kmほど歩いて折り返すのが犬連れにはちょうどいい距離になります。

春には約300本の桜が咲く桜のトンネルが見事。信号のないフラットな道が延々と続くため、途中で引き返すタイミングを自分で決められるのが利点です。道幅は約4mで、中央にラインが引かれた区間では歩行者と自転車の通行帯が分かれています。

自転車との共用道路なので、リードが自転車の走行ラインをまたがないよう左側に寄って歩いてください。ロードバイクはかなりのスピードで通過するため、犬が急に飛び出さないようリードは短めに持つのが安全です。

狭山公園周回コース(約4〜5km / 所要80〜100分)

多摩湖の南側に隣接する都立狭山公園は、武蔵野の雑木林が残る約24ヘクタールの自然公園です。起伏のある地形で、丘を登ったり下ったりしながら歩くため、自然と運動量が増えます。

堤防を起点にして園内を巡り、堤防に戻る周回ルートで約4〜5km。土の散策路が多く、犬の肉球にも優しいルートです。体力のある中型犬や大型犬にとっては申し分ない運動量を確保できます。

ベンチや東屋が点在しているので、休憩を挟みながら歩けるのもポイント。宅部池(たっちゃん池)周辺は水辺の景色が楽しめるスポットで、カモやサギなどの野鳥も観察できます。池の畔にはウッドデッキのある休憩スペースがあり、犬とゆっくり座って水辺の風景を眺められます。

コース距離所要時間向いている犬
堤防コース約1.2km20〜30分シニア犬・子犬・小型犬
自転車道ショートコース約4km60〜80分全犬種
狭山公園周回コース約4〜5km80〜100分体力のある中型犬・大型犬

駐車場

狭山公園の駐車場は無料で利用できます。都立公園で駐車場が無料なのは珍しく、車で訪れる犬連れにとっては大きな利点です。

駐車場台数料金営業時間
狭山公園駐車場普通車71台 + 身障者用2台無料5:30〜18:00
狭山公園正門前駐車場身障者用2台無料9:00〜17:00

18時以降は出庫できないため、時間には余裕を持ってください。秋冬は日没が早く、16時を過ぎると薄暗くなります。桜シーズン(3月下旬〜4月上旬)と紅葉シーズン(11月中旬〜12月上旬)の週末は午前中に満車になることがあるため、西武多摩湖線の利用も検討したほうが確実です。

多摩湖駅周辺にコインパーキングはほとんどありません。車の場合は狭山公園駐車場を起点にするのがおすすめです。

季節別の注意点

季節見どころ犬連れの注意点
春(3〜4月)堤防付近の桜、自転車道の桜並木花見客で混雑。早朝の散歩がおすすめ
夏(7〜8月)新緑の雑木林、狭山公園の木陰堤防上は日陰ゼロ。朝7時までに歩く
秋(10〜11月)狭山公園の紅葉、堤防からの夕日17時前には暗くなる。ライト持参
冬(12〜2月)澄んだ空気で富士山がくっきり堤防上は風が強い。小型犬は防寒着を

夏場は堤防上に日陰がまったくなく、アスファルトの地表温度が50度を超えることもあります。手の甲を地面に5秒当てて熱いと感じたら堤防コースは避け、木陰の多い狭山公園を歩くようにしてください。狭山公園の雑木林内は堤防に比べて5〜8度ほど体感温度が低く、犬にとっても人にとっても快適です。

冬場は標高がやや高い立地もあり、都心より2〜3度気温が低く感じます。風を遮るものがない堤防では体感温度がさらに下がるため、飼い主も犬もしっかり防寒して出かけましょう。ただし冬の堤防からの景色は空気が澄んで最も美しい季節でもあり、富士山と多摩湖の水面が一つのフレームに収まる構図は写真に残したくなります。

周辺の犬連れスポット

多摩湖周辺は住宅街が中心のため、犬同伴可能な飲食店は限られます。散歩前に飲み物とおやつを準備しておくのが無難です。

スポットエリア犬の条件
狭山公園の東屋・ベンチ狭山公園内持ち込み飲食可
武蔵大和駅前武蔵大和駅飲食物の調達に便利

多摩湖駅・武蔵大和駅周辺にはコンビニや飲食店が少ないため、飲み物とおやつは事前に用意しておきましょう。狭山公園内にも売店はありません。武蔵大和駅前で軽食を調達するのが現実的です。犬同伴可能な飲食店については、訪問前に各店の最新情報を確認してから出向くことをおすすめします。

多摩湖から足を延ばせる散歩コース

多摩湖を起点にして、少し足を延ばすと別の散歩コースにもアクセスできます。

狭山丘陵のトトロの森は狭山公園と地続きのエリアで、雑木林の中を歩く散策路が続きます。多摩湖の堤防から徒歩30分ほどで入り口に着くため、体力のある犬であれば多摩湖と合わせて半日コースにできます。

小金井公園や昭和記念公園など、多摩エリアにはほかにも犬連れで楽しめる大規模公園が点在しています。多摩湖は駐車場が無料なので、ここを拠点にして複数の公園を巡る「多摩公園はしご散歩」も面白い選択肢です。

連絡先・アクセス

項目内容
所在地東京都東大和市多摩湖1丁目
問い合わせ狭山公園パークセンター TEL 042-393-0154
公式サイト狭山公園(都立狭山自然公園)
開放時間常時開放(堤防・自転車道)/ 駐車場 5:30〜18:00
入場料無料
ドッグランなし
交通手段ルート
電車西武多摩湖線「多摩湖駅」下車すぐ(池袋から約50分)
電車西武山口線「西武園ゆうえんち駅」下車 徒歩5分
中央自動車道 国立府中ICから約30分
関越自動車道 所沢ICから約20分

多摩湖駅は西武多摩湖線の終点で、国分寺駅から約20分。無人駅のためICカード対応のみの場合があり、切符購入は乗車駅で済ませておくと安心です。駅を出ると目の前に堤防が広がっており、アクセスの良さは抜群です。

参考情報

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