新宿から小田急ロマンスカーで約85分。車なら東名高速と小田原厚木道路を経由して90分前後。箱根は都心から最もアクセスしやすい温泉リゾートの一つで、犬連れ旅行のデビュー先に選ぶ飼い主が多いエリアです。

移動時間が短い分、犬の体への負担が少なく済みます。車酔いしやすい犬やシニア犬でも連れて行きやすく、到着後に散歩や観光に使える時間を多く確保できるのは近距離ならではの利点でしょう。

この記事では、箱根のエリア別特徴と宿タイプの選び方、犬連れで楽しめる散歩コースと観光スポット、ペット可の飲食店、持ち物と渋滞対策をまとめました。個別施設の料金や犬の同伴条件を比較したい方は、犬と泊まれる箱根の宿7選を比較もあわせてご覧ください。

箱根のエリア別特徴と犬連れ向きポイント

箱根は標高差が大きく、エリアごとに雰囲気も気温もかなり異なります。宿選びの第一歩は、どのエリアに泊まるかを決めること。犬連れ旅行の場合は散歩環境や混雑度が判断基準になります。

エリア標高の目安特徴犬連れ向きポイント
箱根湯本約100m箱根の玄関口。商店街や土産店が集まる電車アクセスが便利だが、週末は歩道が混雑する
強羅約500m高級旅館やヴィラが点在する閑静な温泉街落ち着いた環境。ケーブルカーで移動も可
仙石原約650mすすき草原で有名な高原エリア犬連れ宿が最も集中。広い散歩道が魅力
芦ノ湖約720m湖畔リゾートエリア。遊覧船や箱根神社が近い平坦な湖畔遊歩道でシニア犬も歩きやすい
小涌谷・宮ノ下約400m歴史ある温泉街。車アクセスが良い国道沿いで主要スポットへの移動が便利

犬と一緒に散歩を満喫するなら、仙石原か芦ノ湖周辺が向いています。仙石原のすすき草原は秋の名所として知られますが、春から夏にかけても広々とした遊歩道を気持ちよく歩けます。平日の朝なら人もまばらで、開放感のある散歩が楽しめるでしょう。

芦ノ湖畔は平坦な遊歩道が続くため、足腰に不安のあるシニア犬でも無理のないコースです。天気が良ければ湖面に映る富士山を眺めながら歩くことができ、箱根ならではの贅沢な散歩になります。

箱根湯本は電車でのアクセスに優れる反面、週末は観光客で商店街が混み合います。犬を連れて歩くには気を使う場面が多いため、箱根湯本に宿泊するなら早朝散歩を計画に組み込んでおくと安心です。

宿タイプ別の選び方

箱根で犬と泊まれる宿は大きく3タイプに分かれます。犬のサイズや性格、旅行の目的によって最適な選択肢が変わります。

比較項目温泉旅館ホテル・リゾートペンション・貸別荘
犬のサイズ対応小型犬が中心全犬種対応が多い大型犬OKの施設も多い
室内フリー宿による(制限が厳しめ)ペット専用フロアは可基本的にフリー
ドッグラン少ない併設している場合あり敷地内で遊べることも
食事スタイル部屋食・個室が多いレストラン(犬不可の場合あり)自炊 or 近隣の飲食店
温泉客室露天が理想大浴場+客室風呂温泉なしの施設が多い
1名1泊の目安20,000〜40,000円18,000〜50,000円15,000〜25,000円

温泉旅館

客室露天風呂付きの部屋を選べば、入浴中も愛犬のそばにいられます。部屋食なら食事中に犬を一人にする必要もありません。旅館タイプは犬のサイズ制限が厳しいケースが多く、小型犬のみ対応の施設が中心になります。

犬連れの旅館選びでは「部屋食×客室露天風呂」の組み合わせが最も快適です。強羅エリアの「きたの風茶寮」(全室露天風呂付き、小型犬1頭まで、1名35,000円前後〜)はその代表格でしょう。

ホテル・リゾート

ペット専用フロアを設けたホテルや、全室犬同伴OKのリゾートホテルが箱根には複数あります。ドッグランやドッグスパを備えた本格的な施設もあり、犬連れ専門ならではの安心感が特徴です。

仙石原の「レジーナリゾート箱根仙石原」は全室ペット同伴OKで、屋外・屋内ドッグランを完備。2024年3月にリニューアルオープンした小涌谷の「モリトソラ箱根」は全12棟のプライベートドッグヴィラとして生まれ変わり、各棟にプライベートドッグラン(最大50平米)を備えています。2025年12月開業の「RETONA HAKONE」は芦ノ湖エリアの新しい選択肢で、約2,200平米の天然芝ドッグパークと全15室の温泉露天風呂付き客室が目を引きます。

施設ごとの料金・犬の条件・設備の詳しい比較は箱根の宿7選比較記事にまとめています。

ペンション・貸別荘

強羅や仙石原の別荘エリアには一棟貸しの貸別荘やペンションが点在しています。プライベート空間で周囲を気にせず過ごせるため、吠え癖が気になる犬や多頭飼いの家庭に向いた選択肢です。大型犬の受け入れに対応している施設も多く、犬のサイズを気にしなくてよいのは大きなメリットになります。

犬連れの散歩コースと観光スポット

おすすめ散歩コース3選

芦ノ湖畔の遊歩道は犬連れ散歩の定番コースです。元箱根から箱根神社方面へ向かう約2kmの湖畔沿いは木陰が多く、夏場でも比較的涼しい道のりになっています。水飲み場やベンチが点在しているため、シニア犬連れでも無理のないペースで散策を楽しめます。

仙石原すすき草原の散策路は約700mの直線コース。9月下旬から11月中旬にかけて黄金色のすすきが見事ですが、夏は緑のすすきが風に揺れる爽やかな景色を楽しめます。リード着用で犬と一緒に歩けるコースです。

恩賜箱根公園は芦ノ湖を見下ろす高台に位置し、散策路からは富士山と芦ノ湖の絶景を一望できます。整備された園路をリード着用で散歩でき、1周約30分の手頃なコースです。

犬同伴で楽しめる観光スポット

スポット犬同伴の条件おすすめの時間帯ひとことメモ
芦ノ湖遊覧船(海賊船)デッキはリードでOK。船内はキャリー推奨午前中の便が比較的空いている3階・4階デッキから富士山を望める
箱根ロープウェイケージに入れれば乗車可平日の早い時間帯大涌谷〜桃源台の空中散歩
箱根神社リード着用で本殿まで参拝可早朝がおすすめ犬連れで参拝できる貴重な神社
箱根ガラスの森美術館庭園のみ犬OK(館内は不可)開館直後庭園の花々と美術品を楽しめる
大涌谷屋外エリアはリード着用で可10時前の到着が理想硫黄の匂いを嫌がる犬もいる
仙石原すすき草原リード着用でOK朝8時前後秋は混雑するため平日推奨
恩賜箱根公園リード着用で散策可終日OK芦ノ湖×富士山の絶景
箱根の森足湯犬湯(犬専用の足湯)あり終日OK飼い主の足湯200円、犬湯200円

ロープウェイや遊覧船に犬を乗せられるのは箱根ならではの体験です。ただし繁忙期は混雑するため、犬がストレスを受けやすくなります。平日や早朝の利用が無難でしょう。

箱根神社はリード着用で本殿まで参拝できる数少ない神社として犬連れの参拝者にも人気があります。杉の巨木に囲まれた参道は荘厳な雰囲気で、犬と一緒に歩くと独特の静けさを味わえます。

大涌谷は硫黄の匂いが強いエリアです。犬によっては不快に感じる場合があるため、様子を見ながら無理のない範囲で楽しんでください。

犬連れで立ち寄れる飲食店

箱根の犬連れ飲食店は、テラス席を中心に選択肢が増えてきました。食事の計画を立てる際の参考にしてください。

芦ノ湖畔の「ベーカリー&テーブル 箱根」は2階テラス席が犬同伴OK。1階のベーカリーで焼きたてパンを買い、湖を眺めながら食べるスタイルが定番です。テラス席の人気が高いため、ランチ時間帯はやや混み合います。

宮ノ下の「NARAYA CAFE」はテラス席とデッキ部分で犬同伴が可能。築60年の建物をリノベーションしたカフェで、足湯に浸かりながら箱根の山並みを眺められます。混雑時以外であれば、小型犬を抱いたまま足湯を利用できるのもポイントです。

強羅駅前の「箱根唐揚げKARATTO」は全席ペット同伴可という珍しい飲食店。犬専用のワンプレートメニューも用意されています。雨天でも気にせず犬と一緒に食事ができるのは大きな安心材料でしょう。

仙石原の「Lucky’s Cafe」はテラス席で犬同伴OK。スイーツだけでなくビーフカレーやパスタなどのランチメニューもあり、散歩途中の休憩に立ち寄りやすい立地にあります。

強羅駅周辺で手軽に済ませたい場合は「田むら銀かつ亭」のテイクアウトが便利です。名物の豆腐かつ煮をテイクアウトし、近くのベンチで犬と一緒に食べるという方法もあります。

なお、テラス席の有無や犬同伴のルールは変更される場合があります。訪問前に各店舗へ直接確認してください。

標高差による気温変化と持ち物チェックリスト

箱根は標高差による気温の変化が大きいエリアです。箱根湯本(標高約100m)と芦ノ湖(標高約720m)では気温が5〜10度ほど異なることがあり、夏でも山の上は涼しく感じます。春や秋の朝晩は山上エリアで冷え込むため、犬用の上着を1枚車に積んでおくと安心です。

持ち物用途・補足
狂犬病予防注射済票・ワクチン接種証明書ほぼ全施設でチェックイン時に提示を求められる
リード(通常+ロングリード)散策路や宿の庭で使い分ける
ケージまたはキャリーロープウェイ・遊覧船の乗車に必要
トイレシーツ・マナーパンツ宿の室内やレストラン付近で使用
犬用ブランケット・上着芦ノ湖や仙石原など標高が高いエリアでの防寒
フード・水・食器いつものフードが安心。水は散歩中にも必要
タオル・ウェットシート散歩後の足拭き、雨天時の体拭き
排泄物の処理袋散歩中のマナーとして必須

証明書類は忘れると宿泊を断られることがあります。出発前の最終チェック項目にしてください。

渋滞を避ける移動のコツ

箱根は週末や大型連休の渋滞が激しいエリアです。GW、お盆、紅葉シーズンは国道1号線の渋滞が深刻になり、犬が車内で長時間過ごすことになりかねません。

渋滞を避けるための手段はいくつかあります。御殿場方面から回るルート(東名高速・御殿場IC経由)は箱根湯本の渋滞を避けられるため、芦ノ湖や仙石原に向かうなら有効です。金曜の夕方に出発して前泊するプランや、日曜の朝にチェックアウトして早めに帰路につくプランも渋滞回避に効果的でしょう。

電車の場合、小田急ロマンスカーの座席下にキャリーを置ける手荷物スペースがあります。小型犬なら電車でのアクセスも現実的な選択肢です。箱根登山鉄道でも手荷物扱い(有料)で犬を連れて乗車できます。

目的別の宿選びガイド

ここまでの情報をもとに、目的別に向いている宿のタイプを整理します。

コストを抑えたい方は、強羅の「ゆるり箱根 with DOGS」(2名1泊16,500円〜)や宮城野の「ドッグパレスリゾート箱根」(犬1頭1,100円・頭数制限なし)が候補になります。どちらも温泉付きで犬連れ設備が整った施設です。

大型犬と泊まりたい方は、全犬種対応のリゾートを中心に探してください。レジーナリゾート仙石原・雲外荘、RETONA HAKONE、ドッグパレスリゾート箱根、モリトソラ箱根が全犬種に対応しています。箱根ハイランドホテルとゆるり箱根は小型犬限定のため対象外です。

ドッグランを重視する方には、約2,200平米の天然芝ドッグパークを持つRETONA HAKONEか、各棟にプライベートドッグランを備えるモリトソラ箱根、屋内外のドッグランを完備するレジーナリゾート仙石原が選択肢になります。

温泉をゆっくり楽しみたい方は、全室温泉付きのモリトソラ箱根やレジーナリゾート仙石原・雲外荘、RETONA HAKONEが向いています。客室に温泉が付いていれば、犬のそばを離れずに入浴できます。

各施設の料金・犬の条件・設備の詳しい比較は、犬と泊まれる箱根の宿7選を比較。料金・犬条件・設備で選ぶでまとめています。

参考情報

アクセス時間は小田急電鉄・箱根登山鉄道の公式情報を参照しました。各エリアの標高・気温情報は箱根町観光協会の公開情報に基づいています。施設名と料金は各施設公式サイト(2026年4月確認)の情報です。観光スポットの犬同伴条件は各施設の公式情報(2026年4月確認)に基づいていますが、変更される場合があります。訪問前に最新情報をご確認ください。

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