千鳥ヶ淵は犬連れで散歩できます。皇居のお濠沿いに続く千鳥ヶ淵緑道(約700m)はリード着用で犬と歩ける遊歩道で、東京屈指の桜の名所としても知られるスポットです。隣接する北の丸公園も犬の散歩が認められていますが、「マナーカード」の着用など独自のルールがあるため事前に知っておくと安心です。

さらに千鳥ヶ淵の周辺には皇居外苑や日比谷公園といった犬連れ散歩スポットが徒歩圏内に集まっています。この記事では、千鳥ヶ淵を起点にした皇居周辺エリア全体の犬連れルールと散歩コース、季節ごとの見どころ、散歩後に立ち寄れるカフェ情報をまとめました。

(本記事の情報は2026年4月時点の千代田区・環境省の公園管理情報に基づいています。最新のルールは各管理事務所にご確認ください。)

千鳥ヶ淵周辺の犬連れ可否一覧

千鳥ヶ淵の周辺は、千代田区が管理するエリア・環境省が管理するエリア・宮内庁が管理するエリアが入り組んでいます。犬の散歩の可否やルールが場所によって異なるため、まず全体像を整理しておきます。

エリア犬の散歩管理主なルール
千鳥ヶ淵緑道千代田区リード着用。桜シーズンは一方通行規制あり
千鳥ヶ淵公園千代田区半蔵門寄りの小さな公園。リード着用
北の丸公園環境省マナーカード着用必須。詳細ルールあり
皇居外苑(皇居前広場)環境省リード着用。フン持ち帰り
日比谷公園東京都リード着用。大型犬も入園可
千鳥ヶ淵ボート乗り場条件付き可千代田区箱型ゲージに入れた場合のみ同乗可。ペットは大人1名分としてカウント。布製バッグ・スリングは不可
皇居東御苑不可宮内庁ペット入場禁止
皇居(内部)不可宮内庁一般参観を含め入場不可

犬連れの場合、千鳥ヶ淵緑道から北の丸公園、さらに皇居外苑や日比谷公園まで足を延ばすことで、都心とは思えない規模の散歩コースを組み立てられます。

北の丸公園のマナーカード制度

千鳥ヶ淵緑道の散歩ルールは「リード着用・フン持ち帰り」と一般的ですが、北の丸公園には環境省が定めた独自の制度があります。

マナーカードとは

園内で犬の散歩をする場合、入口付近に設置されている「マナーカード」を飼い主が取って首から下げる必要があります。犬の散歩であることを他の利用者に示す目的で導入された制度で、散歩を終えたら元の場所に返却します。

マナーカードの設置場所は以下の4カ所です。

  • 皇居乾門前入口
  • 科学技術館横の第1駐車場前
  • 清水門上広場
  • 武道館側休憩所前

いずれの入口から入っても設置場所がすぐ見つかるようになっているため、迷うことはないでしょう。

北の丸公園の犬散歩ルール

マナーカードの着用に加えて、以下のルールが定められています。

ルール詳細
リード必ずしっかりとつなぎ、放さないこと
伸縮リード長く伸ばしての使用は禁止
フン処理糞尿をさせない。した場合は残さず持ち帰る
ブラッシング園内でのブラッシング禁止
おもちゃフリスビー・ボールなど手から離れるおもちゃの使用禁止
予防接種1年以内に狂犬病予防注射を接種済みであること
噛みつき癖噛みつき癖がないこと
無駄吠え無駄吠えさせないこと

「伸縮リードを長く伸ばしての使用禁止」や「ブラッシング禁止」は見落としやすいポイントです。普段から伸縮リードを使っている場合は、ロックした短い状態で歩くか、通常のリードに切り替えて入園してください。

なお、これらのルールは犬にアレルギーや恐怖感を持つ利用者が安心して公園を使えるようにする目的で設けられたものです。

皇居周辺の犬連れ散歩エリア比較

千鳥ヶ淵だけで散歩を終えるのはもったいないくらい、皇居周辺には犬と歩けるスポットが密集しています。それぞれの特徴を比較してみました。

項目千鳥ヶ淵緑道北の丸公園皇居外苑日比谷公園
広さ約700m(遊歩道)約19.3ha約115ha(外苑全体)約16.2ha
路面アスファルト舗装アスファルト+土の小道砂利+アスファルトアスファルト+土
日陰桜並木の下豊富(樹木が多い)少ない(広場が多い)豊富(木立が多い)
水飲み場なしあり(園内数カ所)ありあり(園内数カ所)
トイレ緑道入口付近園内数カ所広場内に数カ所園内に複数
犬連れカフェ周辺に少ないなしなし松本楼テラス、日比谷サロー
混雑度(通常期)低い低い低い〜中程度中程度
混雑度(桜シーズン)非常に高い中程度中程度やや高い
特記事項桜トンネルが圧巻マナーカード必要二重橋・丸の内ビル群の景色テラス犬OKの飲食店あり

この4エリアは徒歩でつながっており、千鳥ヶ淵→北の丸→皇居外苑→日比谷公園と歩けば全長6〜7kmの本格的な散歩コースになります。愛犬の体力や天候に合わせて、一部だけをピックアップしても十分に楽しめるのが皇居周辺の魅力です。

犬と歩くおすすめ散歩コース

千鳥ヶ淵を起点に、距離と所要時間の異なる3つのコースを提案します。

コース1: 千鳥ヶ淵緑道 片道散歩(約700m / 15〜20分)

九段下駅2番出口を出て靖国通りを渡ると、千鳥ヶ淵緑道の入口です。お濠の水面に沿って約700m続く遊歩道で、桜の季節(3月下旬〜4月上旬)には緑道周辺のソメイヨシノが頭上にトンネルをつくります。終点は千鳥ヶ淵戦没者墓苑の付近。

道幅は2〜3mほどで、犬連れですれ違うには十分な広さですが、桜の満開時には歩行者で埋め尽くされます。犬が人混みに緊張しやすいタイプであれば、桜シーズン以外の新緑(5月)や秋の紅葉(11月下旬)に訪れるほうが快適です。

散歩に慣れた小型犬から大型犬まで無理なく歩ける距離感で、千鳥ヶ淵デビューにはこのコースが向いています。

コース2: 千鳥ヶ淵+北の丸公園 周回コース(約3km / 50分〜1時間)

千鳥ヶ淵緑道を歩いた後、田安門から北の丸公園に入る周回コースです。

千鳥ヶ淵緑道(九段下側入口)→ 緑道を端まで歩く → 戻って田安門から北の丸公園へ → 日本武道館の裏手を通過 → 吉田茂像付近の芝生エリアで休憩 → 清水門を出て九段下方面へ

北の丸公園は豊かな樹木に覆われた静かな環境で、都心にいることを忘れるほどの緑に囲まれます。芝生エリアでは犬を座らせて休憩する飼い主の姿も見られ、のんびりとした時間が流れています。園内にはイロハモミジやオオモミジがまとまって植えられた「モミジ山」があり、11月下旬〜12月上旬の紅葉シーズンはとりわけ見ごたえがあります。

公園の入口でマナーカードを取り忘れないよう注意してください。

コース3: 皇居一周 犬連れフルコース(約6.5km / 1時間半〜2時間)

千鳥ヶ淵を起点に、皇居の外周を半蔵門→桜田門→皇居外苑→日比谷公園と大きく回るフルコースです。中〜大型犬や体力のある犬向け。

千鳥ヶ淵緑道 → 半蔵門方面へ(内堀通り沿い、歩道が広い) → 国立劇場前を通過(桜の時期はここの桜も見事) → 桜田門 → 皇居外苑(二重橋と丸の内のビル群を望む広場) → 日比谷公園で休憩(松本楼テラスで犬と食事可)

皇居外苑の広場は砂利道が多いため、肉球が弱い犬は靴下の着用も選択肢に入ります。内堀通り沿いの区間は歩道が広く、ランナーと共存する形になりますが、犬連れでもストレスなく歩ける幅があります。ランナーは反時計回りで走る慣習があるため、同じ方向に歩くとすれ違いが少なくなります。

日比谷公園まで足を延ばすメリットは、テラス席で犬同伴OKのレストランがあること。千鳥ヶ淵周辺にはカフェが少ないため、ランチを兼ねたい場合はこのコースが最適です。

月別の見どころカレンダー

千鳥ヶ淵と北の丸公園は桜の名所として有名ですが、実は通年で異なる表情を見せるスポットです。犬連れ散歩の観点から、月ごとのおすすめ度と見どころを整理しました。

おすすめ度見どころ犬連れの注意点
1〜2月B冬枯れの濠と澄んだ空気。人が少なく歩きやすい寒さ対策。小型犬は防寒着の検討を
3月A3月下旬から桜が開花。早咲きの段階なら混雑も控えめ月末からさくらまつり開催。歩行者増加
4月上旬C(犬連れ)桜の満開〜散り際。緑道は最も美しいが人出もピーク土日は一方通行規制。犬連れには不向き
4月中旬〜A葉桜〜新緑への移行期。人出が落ち着く快適な散歩シーズンの始まり
5月S新緑が最も美しい。気温も犬に快適散歩のベストシーズン
6月Bアジサイが咲き始める。梅雨入り後は散歩の機会が限られる雨上がりの濠は風情がある
7〜8月C真夏の日中はアスファルトが高温早朝か夕方に限定。日陰は北の丸公園が豊富
9〜10月A秋の気配。彼岸花が咲く時期もある気温が下がり散歩しやすくなる
11月S北の丸公園モミジ山の紅葉が見頃(11月下旬〜12月上旬)紅葉シーズンのベスト。人出は桜ほどではない
12月A紅葉の終盤〜冬の入口。澄んだ空気でお濠の景色が映える日が短いため午前中がおすすめ

桜の満開時期(4月上旬)の犬連れはあまりおすすめしません。千鳥ヶ淵緑道のさくらまつり期間中は、土日に靖国通り側から戦没者墓苑方向への一方通行規制が敷かれ、半蔵門側入口からは入場できなくなります。歩行者同士の距離が近く、犬が踏まれたり他の人にぶつかるリスクがあるほか、花見のシートやゴミの散乱による誤食の危険もあります。

犬連れで千鳥ヶ淵の四季を楽しむなら、5月の新緑と11月の紅葉が狙い目です。桜の時期と比べて人出が格段に少なく、景色の美しさは引けを取りません。

桜の時期に犬連れで歩くための対策

それでも桜の時期に愛犬と千鳥ヶ淵を歩きたい場合、以下の工夫で負担を減らせます。

  • 平日の早朝(8時台)に訪れる。開花直後は特に人が少ない
  • 半蔵門側から歩き始め、緑道には入らず内堀通り沿いからお濠越しの桜を眺める手もある
  • 小型犬はスリングやキャリーバッグで抱いて歩く選択肢を持つ
  • ボート乗り場周辺は最も混雑するため避ける(同乗する場合は箱型ゲージ必須)
  • 北の丸公園内のほうが緑道より人が少ない。田安門から入って園内の桜を楽しむルートを検討する

千代田区の公式サイト(Visit Chiyoda)ではさくらまつり期間中の交通規制情報が事前に公開されるため、出かける前に確認しておくと安心です。

周辺の犬同伴カフェ・レストラン

千鳥ヶ淵周辺はオフィス街で犬同伴可のカフェは多くありませんが、テラス席を設けている店舗がいくつかあります。散歩の前後に立ち寄れる犬連れ対応の飲食店を紹介します。

店名最寄り駅犬同伴エリア特徴
CANAL CAFE飯田橋駅 徒歩1分デッキサイド席(テラス)外濠沿いの水辺カフェ。デッキサイドはセルフサービスで犬連れに寛容。予約は電話のみ
日比谷 松本楼日比谷駅 徒歩2分1階グリル&ガーデンテラス日比谷公園内の老舗洋食レストラン。明治36年創業。緑に囲まれたテラスが開放的。愛犬は床に下ろすかカート持込での利用
日比谷サロー日比谷駅 徒歩5分テラス席(同時2〜3組まで)日比谷公園の桜門近く。巨大アンブレラ完備のテラスで木々を眺めながら食事
Gather by UNPLAN神楽坂駅 徒歩4分テラス席テラス席で犬同伴可。犬用の水のサービスあり

CANAL CAFEは千鳥ヶ淵緑道から徒歩10分ほど。飯田橋方面へ向かう途中にあり、散歩の締めくくりに立ち寄りやすい立地です。週末は混み合うため、事前に電話で空き状況を確認しておくことをおすすめします。

松本楼と日比谷サローは日比谷公園内にあるため、コース3(皇居一周フルコース)の終盤に組み込めます。犬は足元で大人しく過ごせることが前提で、興奮しやすかったり他の犬に吠えやすいタイプの犬はバギーに乗せるほうが安心です。

店舗の犬同伴ルールは変更される場合があるため、訪問前に直接確認してください。

駐車場とアクセス

電車でのアクセス

最寄り駅路線千鳥ヶ淵緑道入口まで
九段下駅 2番出口東京メトロ半蔵門線・東西線、都営新宿線徒歩約5分
半蔵門駅 5番出口東京メトロ半蔵門線徒歩約5分
竹橋駅 1a出口東京メトロ東西線北の丸公園まで徒歩約5分

犬連れの場合、電車でのアクセスが最も現実的です。九段下駅から千鳥ヶ淵緑道の入口までは歩道が整備されており、犬を連れて無理なく歩ける距離です。東京メトロは犬をキャリーケースやバッグに入れた状態で乗車が認められています(全身が入る大きさの容器に収容すること)。

車でのアクセス

駐車場台数料金営業時間
北の丸第1駐車場143台1時間600円(最大3,000円/日)8:30〜22:00
北の丸第2駐車場103台1時間600円(最大3,000円/日)8:30〜22:00
北の丸第3駐車場307台1時間600円(最大3,000円/日)8:30〜17:00

首都高速都心環状線「代官町出入口」からすぐの場所に北の丸駐車場(合計553台)があります。千鳥ヶ淵緑道・北の丸公園のどちらにもアクセスしやすい立地です。

ただし、桜の時期は駐車場が閉鎖されたり、周辺道路が渋滞で動かなくなることがあるため注意が必要です。さくらまつり期間中に車で訪れる場合は、代官町出入口の利用可否を事前に確認してください。通常期であれば駐車場は十分に空いており、車でのアクセスも問題ありません。

北の丸公園の駐車場料金は2024年に改定されています。最新の料金は国民公園協会の公式サイトで確認できます。

参考情報

各施設の情報は公式サイトおよび千代田区・環境省の公園管理情報(2026年4月確認)に基づいています。

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問い合わせ先

ペットルールの詳細や桜の時期の規制について不明な点がある場合は、以下に確認してください。

項目内容
千鳥ヶ淵緑道(千代田区)03-5211-4243(道路公園課維持係)
北の丸公園(環境省)03-3211-7878(皇居外苑管理事務所)
所在地東京都千代田区(九段下〜半蔵門エリア)

千鳥ヶ淵は桜の名所として語られることが多いものの、犬連れの視点で見ると桜の満開時期はむしろハードルが高い場所です。人混みを避けて新緑や紅葉の季節に訪れれば、お濠の水面に映る四季折々の風景を静かに楽しめます。北の丸公園のマナーカードを首から下げて、皇居のお濠を眺めながら歩く時間は、都心の犬連れ散歩の中でも格別のものです。