横浜市内でペットと暮らせる賃貸を探すとき、最初の壁は「どのエリアを選ぶか」です。18の行政区を持つ横浜は市域が広く、エリアによってペット可物件の供給量も家賃水準もまるで違います。港北区や青葉区の住宅地では比較的物件が見つかりやすい一方で、中区・西区の商業エリアでは選択肢がぐっと狭まり、見つかっても家賃は跳ね上がります。

この記事では、横浜市内でペット可物件の供給が多い8つのエリアを、家賃相場・散歩環境・動物病院の充実度の3軸で比較しました。東京都内との家賃差や、通勤路線別の選び方もまとめています。

横浜でペット可物件が多いエリア一覧

不動産ポータルサイト(SUUMO・HOME’S等)の掲載状況をもとに、ペット可物件の供給が多いエリアを整理しました。家賃相場は各ポータルの掲載データから算出した概算値です。

エリア1K〜1DK1LDK〜2DK2LDK〜3DKペット可物件の多さ
港北区7.5万円10.9万円13.1万円多い
青葉区7.0万円9.1万円10.4万円多い
鶴見区7.6万円9.8万円12.3万円多い
都筑区7.5万円9.8万円11.7万円やや多い
戸塚区6.5万円9.0万円10.3万円やや多い
神奈川区7.6万円11.5万円15.4万円やや多い
旭区6.7万円8.3万円8.4万円やや多い
泉区7.0万円8.9万円9.2万円やや多い

(出典: SUUMO掲載データ、2026年4月確認時点の概算値。ペット可物件は通常物件より家賃が5〜10%ほど高くなる傾向があります)

港北区の物件供給が多い理由は明快で、住宅地としての面積が広く物件の母数自体が大きいためです。新横浜エリアにはマンションが集中しており、ペット相談可の物件が見つかりやすい傾向があります。

注目は旭区と泉区の2LDK相場です。旭区8.4万円、泉区9.2万円は横浜市内でも最安水準で、東京23区の1Kと同程度の家賃で2LDKに住めます。多頭飼いや大型犬を飼っている方にとっては、この広さの差が暮らしの質を大きく左右します。

通勤路線別のエリア選び

横浜市は複数の鉄道路線が走っているため、勤務先への通勤経路からエリアを絞り込むのが効率的です。以下は、主な通勤先ごとのおすすめエリアと所要時間をまとめた表です。

通勤先おすすめエリア路線所要時間(目安)
渋谷・目黒方面港北区(日吉)・青葉区(たまプラーザ)東急東横線・田園都市線25〜35分
渋谷方面(郊外希望)旭区(二俣川)・泉区(いずみ野)相鉄・東急直通線45〜55分
品川・東京方面鶴見区・神奈川区(東神奈川)JR京浜東北線20〜30分
品川・東京方面(ゆとり重視)戸塚区JR東海道線25〜35分
横浜駅勤務神奈川区・鶴見区・戸塚区JR各線・相鉄線5〜15分
新横浜勤務港北区・都筑区JR横浜線・ブルーライン5〜10分

2023年3月に開業した相鉄・東急直通線によって、旭区(二俣川)や泉区(いずみ野)から渋谷・目黒方面への乗り換えなし通勤が実現しました。この2区は家賃が安い分、以前は都内通勤に不便なエリアとして敬遠されていましたが、直通線の開通で「家賃を抑えて広い部屋に住みたい犬飼い」の有力候補に変わりつつあります。

エリア別の住環境と散歩スポット

港北区 ── 鶴見川沿いの散歩道と充実した動物病院

東急東横線とJR横浜線が交差するエリアで、渋谷まで約25分、品川まで約20分。通勤の利便性と住環境のバランスが横浜市内で最も取りやすいエリアです。

鶴見川沿いの遊歩道は犬の散歩コースとして定番で、新横浜付近から鶴見方面へ数キロにわたって整備されています。朝夕には多くの犬連れが歩いており、犬同士の社会化にも適した環境です。新横浜公園は総面積約50万平方メートルの広大な公園で、芝生広場や草地広場が点在しています。隣接する新横浜公園ドッグランは横浜市内最大級の規模で、小型犬エリアと中・大型犬エリアに分かれており、天然芝の地面は犬の足に優しい設計です。利用には会員登録が必要で、営業日は水・木・土・日の9:30〜17:30です(公式サイト確認)。

動物病院は区内に30軒以上あり、夜間対応のDVMsどうぶつ医療センター横浜(神奈川区、港北区から車で15分程度)も近い立地です。日吉駅周辺は慶應義塾大学のキャンパスがあるため活気があり、綱島駅前は再開発が進行中で今後の住環境向上が見込まれます。

青葉区 ── 犬飼い世帯の割合が高い住宅街

田園都市線沿線の落ち着いた住宅地です。たまプラーザ・あざみ野・青葉台の各駅周辺は街路樹が多く、歩道も広いため犬の散歩がしやすい設計になっています。犬を飼っている世帯の割合が高い地域として知られ、すれ違う犬連れに挨拶を交わすのが日常の風景です。

寺家ふるさと村は横浜とは思えないほど里山の風景が残るスポットで、田んぼのあぜ道を犬と歩く体験ができます。市ヶ尾の横浜市民の森は起伏のあるハイキングコースがあり、体力のある中型犬・大型犬の散歩に向いています。

ペットショップ、トリミングサロン、動物病院の密度が高く、たまプラーザ駅の商業施設「たまプラーザ テラス」周辺にはペット関連店舗が複数集まっています。家賃は横浜市内では高めの水準ですが、東京都内の世田谷区・目黒区と比較すると2LDKで2〜3万円安くなるケースが多く、同じ家賃でひと回り広い部屋に住めます。

鶴見区 ── 都内通勤しやすい穴場エリア

横浜市の北東部、川崎市との境界に位置するエリアです。JR京浜東北線で品川駅まで約20分と東京方面へのアクセスが良好ながら、港北区や青葉区より家賃がやや抑えられる穴場です。

三ツ池公園は「日本さくら名所100選」にも選ばれた約30万平方メートルの広大な公園です。3つの池を巡る周回コースは約2キロで犬の散歩にちょうどよい距離感。桜の季節はもちろん、新緑や紅葉の時期も変化のある散歩が楽しめます。入船公園には登録制のドッグラン(初回登録2,000円、以降無料)があり、地元の犬飼いコミュニティが形成されています。

川崎市との境界付近には築浅のマンションが増えており、ペット可物件の選択肢も広がっています。

都筑区(港北ニュータウン) ── 犬の散歩に最適な計画都市

1990年代に計画的に開発されたニュータウンで、歩車分離の設計が最大の特徴です。車を気にせず犬と歩ける緑道ネットワークがエリア全体を結んでおり、散歩環境の良さは横浜市内でも群を抜いています。

せせらぎ公園や都筑中央公園(約19.6ヘクタール)など整備された公園が点在し、緑道に沿って公園を巡回するルートを組めば、毎日違うコースで散歩ができます。ブルーラインとグリーンラインが交差するセンター北・センター南は商業施設も充実しており、港北 TOKYU S.C.やノースポート・モールなどでペット用品の調達にも困りません。

低層マンションが多い住宅構成のため、窓から外の緑が見える部屋が見つかりやすく、室内飼いの猫にとっても過ごしやすい環境です。

戸塚区 ── コスパの良さと交通利便性の両立

JR東海道線で横浜駅まで約10分、品川駅まで約30分。郊外ながら交通利便性が高く、家賃を抑えたい都内通勤者に根強い人気があるエリアです。

柏尾川沿いの約4キロのプロムナードは桜並木が続く散歩の名所で、犬連れの散歩が特に盛んな道です。戸塚駅前にはトツカーナやサクラスといった商業施設が揃っており、日用品の買い物には困りません。1K〜1DKで6.5万円、2LDK〜3DKで10.3万円と、港北区や青葉区と比べて1〜2万円安く住めるのが魅力です。

旭区・泉区 ── 広さと安さを重視する犬飼いの選択肢

横浜の西部に位置するこの2区は、家賃の安さが際立ちます。旭区の2LDK〜3DK相場は8.4万円、泉区は9.2万円で、東京23区の1Kに住む家賃で2LDK以上の部屋が確保できる計算です。

旭区にはよこはま動物園ズーラシアがあり、周辺の里山ガーデンや、緑区と旭区にまたがる神奈川県立四季の森公園(約45.3ヘクタール)は犬の散歩に適した自然豊かな環境です。二俣川駅は相鉄線の急行停車駅で、横浜駅まで約12分。泉区は相鉄いずみ野線沿線で、相鉄・東急直通線の開通により渋谷方面へ乗り換えなしで通勤できるようになりました。

大型犬や多頭飼いで広さを優先したい方、在宅勤務が中心で通勤頻度が低い方にとっては、この2区が最もコストパフォーマンスの高い選択肢です。

横浜と東京23区の家賃差

「東京に住むか横浜に住むか」で迷っている方に向けて、ペット飼いの視点から両エリアを比較しました。

比較項目東京23区(城南エリア)横浜市(港北区・青葉区)横浜市(旭区・泉区)
1K〜1DK相場8.5〜10万円7.0〜7.5万円6.7〜7.0万円
2LDK〜3DK相場15〜20万円10.4〜13.1万円8.4〜9.2万円
ペット可物件の供給エリアにより差が大きい住宅地で比較的多い物件数は少なめだが競争率も低い
公園・散歩環境エリアによる鶴見川・緑道が充実里山・大規模公園あり
ドッグランの充実度駒沢・代々木等あり新横浜公園に大規模ラン四季の森公園周辺
動物病院の密度高い高いやや少ない
都心への通勤近い渋谷・品川まで25〜35分横浜駅まで12〜20分

東急東横線沿線の港北区に住めば渋谷まで約25分で通勤でき、2LDKの家賃は東京の同等エリアより3〜5万円安くなります。ペット可の2LDK以上を探す場合、東京では選択肢が極端に少なくなる価格帯でも、横浜なら複数の物件から選べるケースが珍しくありません。

動物病院と夜間救急の体制

ペットと暮らすうえで、近隣の動物病院の充実度は住む場所を選ぶ重要な判断材料です。横浜市内の動物病院の分布と、夜間・救急対応の体制を整理しました。

横浜市内の夜間・救急対応が可能な動物病院は以下のとおりです。

  • 横浜動物救急診療センター VECCS YOKOHAMA(南区) ── 24時間年中無休。犬猫の救急症例を受け入れる専門施設
  • DVMsどうぶつ医療センター横浜(神奈川区) ── 救急・二次診療の専門センター
  • 保田動物病院(戸塚区) ── 24時間急患対応、高度画像診断にも対応
  • 横浜磯子どうぶつ病院(磯子区) ── 年中無休、22時までの夜間診療に対応

港北区・青葉区・都筑区は通常診療の動物病院が密集しているエリアです。猫専門外来を設けている病院もあるため、猫飼いの方はかかりつけ医の選択肢が多い区を意識しておくと安心です。引越し先を決める前に、候補エリアの動物病院をGoogleマップで検索して診療時間と口コミを確認しておくことをおすすめします。かかりつけ医の変更はペットにとってもストレスになるため、長く通える病院が見つかるエリアを選ぶのが理想です。

犬の散歩スポットまとめ

横浜市内の主な犬の散歩スポットを一覧にまとめました。

スポット所在区広さ・距離特徴
新横浜公園港北区約50万m2広い芝生広場+市内最大級の会員制ドッグラン
岸根公園港北区篠原池の周回コースが人気
三ツ池公園鶴見区約29.7万m2日本さくら名所100選。3つの池を巡る周回コース
都筑中央公園都筑区約19.6ha緑道ネットワークの中心拠点
四季の森公園緑区・旭区約45.3ha里山の自然が残る。展望台からの見晴らしも良好
柏尾川プロムナード戸塚区約4km桜並木が続く川沿いの散歩道
鶴見川河川敷港北区〜鶴見区数km新横浜から鶴見方面へ続く定番ルート
寺家ふるさと村青葉区里山の風景が残る。田んぼのあぜ道を散歩

新横浜公園のドッグランは横浜市内最大級の施設です。天然芝の地面で、小型犬・中大型犬のエリア分けがあるため安心して利用できます。利用には会員登録(公式サイトで案内)が必要で、営業日は水・木・土・日。日産スタジアムの隣という立地のわかりやすさも魅力です。

鶴見区の入船公園ドッグランは登録制で、初回のみ2,000円の登録料を払えばその後は無料で利用できます。常連同士のコミュニティが形成されているため、引越し直後の犬仲間づくりにも適しています。

横浜でペット可物件を探すときの3つのコツ

横浜市内でペット可の賃貸物件を効率的に探すためのポイントをまとめます。

1つ目は、散歩環境と通勤アクセスの2軸で候補を3〜4区に絞ることです。横浜は18区もあるため、全区を対象に探すと時間がかかりすぎます。この記事の「通勤路線別のエリア選び」を参考に、まず通勤圏で絞り、次に散歩環境で優先順位をつけるとスムーズです。

2つ目は、築年数の幅を広げることです。築15年以上の物件はペット可に転換されていることが多く、管理状態が良ければ築年数を過度に気にする必要はありません。港北ニュータウンをはじめ計画的に開発された住宅地では、築古でも周辺環境が良好な物件が見つかりやすいのが横浜の特徴です。

3つ目は、「ペット相談可」の物件も見落とさないことです。ポータルサイトで「ペット可」に絞ると表示されないが、「ペット相談可」で検索すると出てくる物件があります。相談可の物件は交渉次第でOKが出るケースが多く、敷金の1ヶ月上乗せや小型犬1匹のみといった条件付きで許可されることが一般的です。

ペット可物件の初期費用は、通常の物件より敷金が1〜2ヶ月分多く設定される傾向があります。退去費用を含めた初期費用の全体像は「ペット可物件の敷金はなぜ高い?相場と返ってくる条件」で詳しくまとめています。

よくある質問

Q. 横浜で最もペット可物件が多いのはどこですか?

港北区が物件供給の面で最多で、SUUMO掲載ベースで多数のペット可・相談可物件が常時見つかります。物件の母数が市内最大で、鶴見川沿いの散歩環境も整っているため、横浜でペット可物件を探す際の起点として最適なエリアです。

Q. 新横浜公園のドッグランは登録が必要ですか?

会員制の施設のため、利用前に公式サイトでの会員登録が必要です。小型犬エリアと中・大型犬エリアに分かれており、天然芝の地面は犬の足への負担が少ない設計です。営業日は水・木・土・日で、営業時間は9:30〜17:30。日産スタジアムの隣という立地のわかりやすさも魅力です(最新の利用条件は新横浜公園ドッグラン公式サイトで確認してください)。

Q. 相鉄・東急直通線の開通で横浜のペット可物件選びはどう変わりましたか?

2023年3月に開通したことで、旭区(二俣川)・泉区(いずみ野)から渋谷・目黒方面への乗り換えなし通勤が実現しました。この2区は2LDKが8〜9万円台と横浜市内で最安水準なのに加え、都内通勤のハードルが下がったため、大型犬や多頭飼いで広さを優先したい方の選択肢として注目度が上がっています。

Q. 都筑区が犬の散歩に特に向いていると言われる理由は何ですか?

1990年代に計画的に開発されたニュータウンで、歩車分離の設計が特徴です。車を気にせず犬と歩ける緑道ネットワークがエリア全体を結んでおり、緑道沿いを歩くだけで複数の公園を経由するルートを組めます。低層マンションが多く、散歩のたびにエレベーター待ちが不要な環境も犬飼いには実用的です。

Q. 横浜と東京23区でペット可2LDKを探す場合の家賃差はどれくらいですか?

東京城南エリア(世田谷・目黒等)の2LDK相場が15〜20万円に対して、横浜の港北区・青葉区は10〜13万円と月3〜7万円の差があります。旭区・泉区まで広げると8〜9万円台まで下がり、東京の同等エリアの半額程度で広い部屋に住める計算になります。

関連記事: ペット可賃貸の探し方。効率よく見つける5つのコツ 関連記事: 東京でペット可賃貸が多いエリアは?区別の供給状況と家賃相場

参考情報

  • 家賃相場: SUUMO・HOME’S等の不動産ポータルサイト掲載データ(2026年4月確認時点の概算値)
  • ドッグラン情報: 各施設公式サイト(2026年4月確認)
  • 動物病院の夜間対応: 各病院公式サイト(2026年4月確認)
  • 相鉄・東急直通線: 2023年3月18日開業

横浜市内でペット可の賃貸物件を探すなら、港北区・青葉区・鶴見区が物件数の面で有利です。散歩環境を最も重視するなら、緑道ネットワークが整備された都筑区の港北ニュータウンが横浜で最も犬に優しい街といえます。

家賃を抑えて広い部屋を確保したい場合は旭区・泉区も有力な選択肢です。相鉄・東急直通線の開通で都内通勤のハードルが下がった今、2LDKが8〜9万円台で見つかるこの2区は、大型犬や多頭飼いの方にとって見逃せないエリアになっています。

東京23区と比較した横浜の最大のメリットは、同じ家賃でひと回り広い部屋に住めること。東京の世田谷区で1LDKを借りる予算があれば、横浜の港北区なら2LDKに手が届きます。ペットとの居住空間にゆとりが生まれる分、キャットタワーの設置スペースや犬のケージの配置にも余裕ができます。初期費用を抑えたい場合は、仲介手数料が安い不動産会社を活用するのも賢い方法です。