東京から特急で約2時間。日光は世界遺産の社寺群と、中禅寺湖や戦場ヶ原といった標高1,200m超の自然散策エリアを同時に楽しめる観光地だ。市街地と奥日光では標高差が700m以上あり、気候も景観もまるで異なる。犬連れ旅行では、この標高差によるエリアごとの特徴を押さえて宿を選ぶのがポイントになる。

この記事では、日光・鬼怒川エリアで犬と泊まれる宿7施設を、料金・犬種制限・ドッグラン・温泉の有無で比較した。奥日光湯元温泉の源泉かけ流し旅館から、犬の宿泊料無料のトレーラーハウスまで、予算や旅行スタイルに合わせて選べる。料金や空室状況は時期によって変動するため、最新情報は各施設の公式サイトで確認してほしい。

7施設の比較一覧

施設名エリア犬OK/猫OK1泊料金目安(1人)犬の料金ドッグラン温泉
ゆるり奥日光 with DOGS湯元温泉犬(超大型犬まで)14,300円〜(2食付き)4,400円/頭屋内+中庭源泉かけ流し
奥日光高原ホテル湯元温泉犬・猫・小動物7,700円〜(2食付き)2,200円/頭あり源泉かけ流し
ペンション アニマーレ霧降高原犬・猫・小動物9,350円〜(2食付き)1,100円〜室内貸切露天3種
グランフォレスタヴィラ日光今市IC付近犬(全犬種)29,800円〜(2食付き)無料最大1,000m2超なし
Solana日光大桑犬(制限なし)16,200円〜/棟(素泊まり)無料116m2/棟なし
きぬ川国際ホテル鬼怒川温泉犬・猫15,950円〜(2食付き)2,700円/頭屋内+屋外+プールペット専用露天
鬼怒川 絆鬼怒川温泉犬・猫・小動物48,000円〜(2食付き)3,300円/頭100畳屋内大浴場+客室露天

価格帯は、素泊まりのSolana日光が1人あたり約3,200円〜ともっとも手頃で、鬼怒川 絆が48,000円〜と最上位に位置する。温泉重視なら奥日光の2施設やきぬ川国際ホテル、広いドッグランを優先するならグランフォレスタヴィラ日光が選択肢に入る。

ゆるり奥日光 with DOGS ── 全43室が犬同伴OKの温泉リゾート

2025年4月にオープンした施設で、旧・湯守釜屋を全面改装している。全43室すべてが犬同伴対応で、レストランにも犬を連れていける。奥日光湯元温泉の乳白色のにごり湯を源泉かけ流しで楽しめるのが最大の魅力だ。

露天風呂付き客室を選べば、犬を部屋に残して好きなタイミングで入浴できる。分離不安のある犬でもストレスが少ない。屋内ドッグランがあるため、雨の日や冬の寒い日でも犬を走らせる場所に困らない。トリミング&ドライルームも備えている。

小型犬3頭、中型犬2頭、大型犬・超大型犬1頭まで同伴可能で、超大型犬まで受け入れている点は他施設にない強みだ。夏季(5〜11月)はノミダニ・フィラリア処方薬の事前投与が必須となる。

項目内容
住所〒321-1662 栃木県日光市湯元2548
アクセス日光宇都宮道路 清滝ICから約30分。日光駅から路線バスで約75分
料金目安1泊2食付き 14,300円〜/人(平日)、15,400円〜/人(休前日)
犬の宿泊料1頭4,400円、2頭6,600円、3頭8,800円
犬の同伴条件超大型犬まで可。小型犬3頭/中型犬2頭/大型犬・超大型犬1頭。狂犬病+5種以上混合ワクチン接種証明書(1年以内)が必要
犬連れ設備中庭ドッグラン、屋内ドッグラン、トリミング&ドライルーム、レストラン犬同伴可
温泉源泉かけ流し(大浴場・露天風呂・露天風呂付き客室あり)
公式サイトhttps://yururi-okunikko.com/

湯元温泉から湯ノ湖畔は犬連れで散策しやすいコースだ。湯ノ湖の周回コース(約3km)は比較的平坦で歩きやすく、戦場ヶ原ハイキングの起点にもなる。冬は積雪があるため防寒対策を万全に。

奥日光高原ホテル ── 猫も泊まれるリーズナブルな湯元温泉

日光エリアでは数少ない「猫も泊まれる」宿で、小動物にも対応している。ペット対応は別棟の和室に限定されるため、早めの予約をおすすめする。料金は7施設の中でもっとも手頃で、2食付き7,700円〜と温泉旅館としては破格に近い。

源泉かけ流しの乳白色硫黄温泉は、ゆるり奥日光と同じ湯元温泉の湯を引いている。ペット用アメニティは宿側に用意がないため、食器・ケージ・トイレシートなどは持ち込む必要がある。

ヒート中の犬は宿泊不可。生後6か月以上で狂犬病予防接種・抗体検査を受けていることが条件になる。

項目内容
住所〒321-1662 栃木県日光市湯元2549-6
アクセス日光宇都宮道路 清滝ICから約30分
料金目安1泊2食付き 7,700円〜/人
犬の宿泊料1頭2,200円/泊(介護犬無料)
犬の同伴条件大型犬まで。猫・小動物も可。生後6か月以上。ヒート中は不可
犬連れ設備ペット専用客室(別棟和室)、ドッグラン
温泉源泉かけ流し乳白硫黄温泉(内湯・露天風呂)
公式サイトhttps://www.okunikko-kougenhotel.com/

ゆるり奥日光と同じ湯元温泉エリアに位置しているため、湯ノ湖畔の散歩や湯滝の見学が気軽にできる。

ペンション アニマーレ in 日光 ── コスパ最強のペット連れ専用宿

ペット連れ専用のペンションで、宿泊者全員がペット同伴だ。周囲の目を気にする必要がなく、犬だけでなく猫、小鳥、フェレット等の小動物も受け入れている。2食付き9,350円〜でペット料金も1,100円〜と手頃で、コストパフォーマンスは7施設の中で最高水準だ。

貸切露天風呂が2種類(打たせ湯付き岩露天・水中露天)と薬湯内風呂があり、すべて無料で利用できる。ディナーは本格的な欧風フルコースで、犬用バスタブ付きの内湯もあるため散歩後に犬をそのまま洗える。

超大型犬まで対応しており、頭数制限がないのも特徴。那須にも姉妹店「アニマーレ アネックス」がある。

項目内容
住所〒321-1421 栃木県日光市所野1541-432(霧降高原エリア)
アクセス日光宇都宮道路 日光ICから約15分
料金目安1泊2食付き 9,350円〜/人(平日)、9,900円〜/人(休前日)
犬の宿泊料小型・中型犬1,100円/大型犬1,650円
犬の同伴条件超大型犬まで可。猫・小鳥・フェレット等も可。頭数制限なし。狂犬病ワクチン接種証明書のコピーが必要
犬連れ設備室内ドッグラン、犬用バスタブ付き内湯
温泉貸切露天風呂2種(打たせ湯付き岩露天・水中露天)+薬湯内風呂。すべて貸切無料
公式サイトhttps://www.animale-nikko.jp/

霧降高原に位置するため、霧降の滝や霧降高原散策路へのアクセスが良い。6〜7月のニッコウキスゲの時期は特に見応えがある。日光市街地まで車で約15分、東照宮方面への観光にも便利だ。

グランフォレスタヴィラ日光 ── 関東最大級のプライベートドッグラン

2025年8月にオープンした東武鉄道グループ運営の施設で、全6棟の1棟貸しヴィラだ。各棟に付くプライベートドッグランは最大1,000m2超で、関東最大級を誇る。全天候型の屋根付きドッグラン(各棟60m2)も全棟に完備されており、雨の日でも犬を走らせることができる。

犬の宿泊料が無料で、犬種・サイズに制限がないのも多頭飼いの飼い主にはうれしいポイントだ。3頭まで同伴可能(生後6か月以上目安)。BBQ設備とキッチンが完備されているため、自炊派のグループ旅行にも向いている。2026年3月にはわんちゃん用ごはんがリニューアルされ、メインが選べるようになった。

温泉はないが、犬との時間を最優先したい方には有力な選択肢になる。

項目内容
住所〒321-1265 栃木県日光市小百字穴沢1834-1
アクセス日光宇都宮道路 今市ICから約12分。東京から車で約2.5時間
料金目安素泊まり 21,100円〜/人、1泊2食付き 29,800円〜/人(4名1室利用時)
犬の宿泊料無料
犬の同伴条件全犬種OK。サイズ制限なし。3頭まで(生後6か月以上目安)
犬連れ設備プライベートドッグラン(最大1,000m2超/棟)、全天候型屋根付きドッグラン(60m2/棟)、チェックイン前利用可の半屋外ドッグラン、BBQ設備、キッチン付きヴィラ(73m2)
温泉なし(客室専用風呂のみ)
公式サイトhttps://www.tochigi-nikko-dogresort.com/

今市IC付近に位置するため、日光東照宮(車で約20分)や鬼怒川温泉(車で約20分)へのアクセスが良い。日光街道の杉並木は犬連れで散歩できる名所だ。

Solana日光 ── 犬の宿泊料無料のトレーラーハウス

全3棟のトレーラーハウスで、7施設の中でもっとも手頃な宿泊施設だ。5名で利用すれば1人あたり約3,200円〜と、友人同士やカップルのグループ旅行にちょうどいい価格帯になる。犬の宿泊料が無料で、犬種やサイズの制限もない。

各棟に116m2のプライベートドッグラン(高さ100cmの仕切り網)が付いている。トレーラーハウスなので室内はコンパクトだが、犬用アメニティは充実しており、食器・ケージ・シャンプー・トイレシートまで揃っている。持ち物が少なくて済むのはありがたい。

ウッドデッキにはBBQグリルが備わっており、窓からSL大樹の走る姿を眺められる棟もある。

項目内容
住所〒321-2411 栃木県日光市大桑町865-4
アクセス今市ICから車で約12分。大桑駅から徒歩14分。鬼怒川温泉駅から車で約12分
料金目安Stanley 20,700円〜/棟、Grouse 17,100円〜/棟、Kitsilano 16,200円〜/棟(すべて素泊まり、5名まで利用可)
犬の宿泊料無料。頭数制限なし
犬の同伴条件犬種・サイズ制限なし
犬連れ設備プライベートドッグラン(116m2/棟、高さ100cmの仕切り網)、犬用アメニティ充実(食器・ブラシ・ケージ・シャンプー等)
温泉なし(ユニットバス)
公式サイトhttps://resort-solana.com/facility/nikkou/

大桑エリアに位置し、鬼怒川温泉まで車で約12分。日光東照宮方面へも車で約25分で、日光・鬼怒川の両方を拠点にできる立地だ。

きぬ川国際ホテル ── 日本初のペット同室宿泊パイオニア

1986年にペット同室宿泊を日本で初めて歓迎した宿で、宿泊者の98%がペット同伴という筋金入りのペットフレンドリー施設だ。犬だけでなく猫も受け入れており、猫専用のキャットルームまで用意されている。

ドッグランは屋内・屋外に加え、温泉プール付きドッグランという珍しい設備を持つ。ペット専用露天風呂は無料で利用でき、飼い主と犬が一緒に入れる貸切家族風呂(3,300円/45分)もある。鬼怒川温泉の泉質を犬と一緒に楽しめるのは、このエリアではきぬ川国際ホテルだけだ。

1グループ3頭まで同伴可能で、超大型犬にも対応している。2024年2月にはペットカフェコーナーがオープンし、ペット用のおやつやおもちゃも揃う。

項目内容
住所〒321-2526 栃木県日光市鬼怒川温泉滝540
アクセス日光宇都宮道路 今市ICから約30分。鬼怒川温泉駅からタクシーで約5分(送迎あり、要予約)
料金目安1泊2食付き 15,950円〜/人(2名1室利用時)
犬の宿泊料1頭2,700円(サイズ問わず)
犬の同伴条件超大型犬まで可。猫も可。1グループ3頭まで(大型犬は2頭まで)。狂犬病予防接種+3種以上混合ワクチン接種証明書(1年以内)が必要
犬連れ設備屋外ドッグラン、室内ドッグラン、温泉プール付きドッグラン(夏季)、ペット専用露天風呂(無料)、貸切家族風呂(犬と入浴可・3,300円/45分)、セルフシャンプー、ペットカフェコーナー
温泉大浴場あり。ペット専用露天風呂(無料)、ペットと入れる貸切家族風呂あり
公式サイトhttps://www.kinugawakokusaihotel.co.jp/

鬼怒川温泉街の中心部に位置しており、鬼怒楯岩大吊橋や龍王峡へのアクセスが良い。鬼怒川温泉駅からの送迎があるため、電車でのアクセスも現実的だ。

鬼怒川 絆 ── ラグジュアリーなペット同伴専門温泉旅館

全25室がペット同伴専門の高級温泉旅館で、2,700坪の敷地にゆったりと佇む。料金は7施設の中で群を抜いて高いが、会席料理・温泉・充実したドッグ設備を考えると高級旅館としては妥当な水準だ。部屋食で犬と一緒に食事ができるため、他の宿泊客の目を気にしなくてよい。

屋内ドッグラン(約100畳)は広大で、犬用の温水遊び場(30度設定)まで用意されている。特別室以上の客室には犬専用の露天風呂が付いており、犬も温泉を楽しめる。全犬種・猫・小動物まで受け入れ可能で、頭数制限もない。全25室が純和室で、犬と同じ布団で寝ることもできる。動物専門知識を持つ仲居が一組に専属で対応する。

記念日や特別な旅行で「犬と一緒にとことん贅沢したい」という方に向く宿だ。

項目内容
住所〒321-2522 栃木県日光市鬼怒川温泉大原1422-4
アクセス鬼怒川温泉駅から車で約5分
料金目安1泊2食付き 48,000円〜/人(2名1室利用時)
犬の宿泊料1頭3,300円(サイズ問わず)
犬の同伴条件全犬種OK。超大型犬、猫、小動物もすべて可。頭数制限なし
犬連れ設備屋内ドッグラン(約100畳)、屋外ドッグラン、犬用温水遊び場(30度設定)、犬専用露天風呂(特別室以上)、日本庭園、専属仲居
温泉大浴場あり。特別室以上の客室に専用露天風呂
公式サイトhttps://kizuna-kinugawa.com/

鬼怒川温泉街は犬連れで散歩できるスポットが多い。鬼怒楯岩大吊橋は犬連れで渡ることができ、渓谷の眺望が楽しめる。龍王峡のハイキングコースもリード着用で犬と歩ける。

犬と歩ける日光の散歩コース

日光は犬連れのハイキング・散歩コースが豊富なエリアだ。体力やコースの難易度に応じて選べる代表的な3ルートを紹介する。

コース距離所要時間難易度季節の見どころ
中禅寺湖畔コース約4km(片道)1.5〜2時間初級秋の紅葉
戦場ヶ原ハイキング約5km約2時間初〜中級夏〜秋
霧降高原散策約2km約1時間初級初夏のニッコウキスゲ

中禅寺湖畔コースは菖蒲ヶ浜から千手ヶ浜までの比較的平坦な遊歩道で、犬連れでも無理なく歩ける。秋の紅葉シーズンはトンネルのように色づく木々が圧巻だ。水辺を好む犬なら浅瀬で水遊びもできるが、湖岸は石が多いため足元に注意してほしい。

戦場ヶ原は標高約1,400mの湿原地帯を木道で歩く。赤沼から泉門池を経由して湯滝に至る約5kmの定番ルートで、男体山を正面に望みながら歩く景色は開放感がある。木道から犬がはみ出さないよう、リードは短めに持とう。

霧降高原は6〜7月のニッコウキスゲが見もの。天空回廊の1,445段の階段は犬連れには厳しいが、手前の広場周辺の散策コースなら気軽に楽しめる。

東照宮の境内はペット不可だが、参道手前の表参道はリード付きで散歩できる。樹齢数百年の杉並木の中を歩く雰囲気は、犬連れでも十分に味わえる。

紅葉シーズンの渋滞対策と予約のコツ

日光の紅葉は10月上旬の奥日光から始まり、11月下旬に市街地がピークを迎える。この時期はペット旅行の需要も集中するため、事前の準備が欠かせない。

もっとも注意すべきはいろは坂の渋滞だ。紅葉ピーク時には、市街地から中禅寺湖まで通常40分の道のりが3〜4時間かかることもある。犬を車内で長時間待機させることになるため、早朝7時前の出発がほぼ必須になる。平日に訪れるだけで渋滞のストレスは大幅に軽減される。

ペット可宿泊施設の予約は早めに動くこと。紅葉シーズンの週末は2か月前、3連休なら3か月前には予約を入れておきたい。キャンセル料の発生日を確認したうえで、候補を2〜3施設おさえておくと安心だ。

紅葉シーズンの散歩は日中の気温が10度前後と、犬にとっては快適な温度帯になる。ただし朝晩は5度を下回ることもあるため、フリースやダウンジャケットを車に積んでおくと温度変化にも対応しやすい。

11月下旬から4月頃までは奥日光エリアでいろは坂が凍結する可能性がある。スタッドレスタイヤの装着は必須と考えておこう。

予約前に確認しておきたいポイント

犬のサイズ制限は施設ごとに大きく異なる。小型犬限定の宿から超大型犬まで受け入れる宿まで幅があるため、予約前に必ず確認すること。猫を連れていける施設は奥日光高原ホテル、ペンション アニマーレ、きぬ川国際ホテル、鬼怒川 絆の4施設に限られる。

ワクチン接種証明書の要件も施設によって異なる。狂犬病ワクチンのみでOKの施設と、5種以上の混合ワクチンまで求める施設がある。夏季のノミダニ・フィラリア対策を必須としている施設もあるため、通年で処方薬を投与しておくのが安全だ。

奥日光エリア(湯元温泉)は市街地から車で約40分とアクセスにやや時間がかかる。食事付きプランを選ぶか、市街地で食材を調達してから向かうのがよい。鬼怒川エリアは鬼怒川温泉駅からのアクセスが良く、電車旅行でも利用しやすい。

参考情報

各施設の宿泊条件・料金・犬のサイズ制限は各公式サイト(2026年4月確認)の掲載情報に基づく。料金は時期・プラン・人数によって変動するため、最新の情報は各施設に直接確認してほしい。散歩コースの距離・所要時間は一般的な目安。

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