ペットの体調が急変するのは、決まってかかりつけの動物病院が閉まっている時間帯です。深夜に愛犬が嘔吐を繰り返したり、愛猫がぐったりしているのを見つけたとき、どこに連れて行けばいいのか分からず途方に暮れた経験のある飼い主は少なくありません。
動物は痛みを隠す本能があるため、飼い主の目に明らかな異常として映った時点では、かなり症状が進んでいることもあります。この記事では、東京都内で夜間・深夜に対応している動物病院の具体的な情報と、緊急時に慌てないための事前準備をまとめました。
夜間救急の動物病院を事前に調べておくべき理由
通常の動物病院の診療時間は朝9時から夜7時前後で、夜間や早朝には対応していないところが大半です。ペットの急病や事故は時間を選んでくれないため、事前に夜間対応の病院を把握しておくことが文字どおり命を救うことにつながります。
特に注意が必要なのは、以下のような症状です。
| 症状 | 緊急度 | 対応 |
|---|---|---|
| 呼吸困難・口を開けて苦しそうに呼吸 | 最高 | 直ちに救急病院へ |
| 意識がない・痙攣している | 最高 | 直ちに救急病院へ |
| 大量の出血が止まらない | 最高 | 応急処置しつつ救急病院へ |
| 異物を飲み込んだ | 高い | できるだけ早く受診 |
| 繰り返す嘔吐・下痢 | 高い | 脱水リスクあり、早めの受診を |
| 排尿できない(特にオス猫) | 高い | 尿路閉塞は命に関わる |
| 高所からの落下 | 高い | 骨折や内臓損傷の可能性 |
| 元気がない・食欲がない | 中程度 | 翌朝のかかりつけ受診でも可 |
「元気がない」「食欲がない」程度であれば翌朝まで様子を見ることも選択肢ですが、呼吸困難や意識の消失、大量出血は一刻を争います。オス猫の尿路閉塞は24から48時間で急性腎不全に至る可能性があり、夜間であっても受診を遅らせてはいけません。判断に迷ったら、夜間救急病院に電話して症状を伝え、受診すべきかどうかのアドバイスを求めるのが最善です。
東京の夜間救急動物病院リスト
東京都内で夜間に対応している代表的な動物病院を施設ごとにまとめました。診療時間や対応状況は変更される場合があります。受診前に電話で確認してください。
TRVA動物医療センター(世田谷区)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 東京都世田谷区深沢8-19-12 |
| 電話番号 | 03-5760-1212(夜間救急) |
| 診療時間 | 夜間救急 20:00〜翌6:00(電話受付は5:00まで) |
| 対応動物 | 犬・猫 |
| 公式サイト | https://trva.jp/ |
夜間救急専門の動物医療センターで、城南・城西エリアからのアクセスが良い施設です。重症例に限り24時間体制での入院管理にも対応しています。日中の診療も行っており、通常診察は9:00から18:00です。
ひがし東京夜間救急動物医療センター(江東区)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 東京都江東区亀戸6-38-11 ノビールメンテ・ウエダビル1F |
| 電話番号 | 03-5858-9969 |
| 診療時間 | 19:00〜翌7:00(電話受付は19:00から) |
| 対応動物 | 犬・猫 |
| 公式サイト | https://www.doubutsu-yakan99.com/ |
東部エリアの飼い主にとって心強い夜間専門の救急施設です。翌朝8時まで診療を行っているため、深夜から早朝にかけての急患にも対応できます。年中無休で運営されています。
日本動物医療センター(渋谷区)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 東京都渋谷区本町6-22-3 |
| 電話番号 | 03-3378-3366 |
| 診療時間 | 24時間対応(通常電話受付 9:00〜20:00、水曜休診) |
| 対応動物 | 犬・猫 |
| 公式サイト | https://jamc.co.jp/ |
年中無休で24時間救急診療に対応しています。幡ヶ谷駅から徒歩7分の立地で、城西エリアからのアクセスに優れています。通常診療と救急診療の両方を行っているため、夜間に搬送されたあとの継続治療にも移行しやすいのが特徴です。
東京動物医療センター / 杉並動物夜間救急医療センター(杉並区)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 東京都杉並区松庵2-19-15 |
| 電話番号 | 03-3334-2850(夜間救急) / 03-3331-3381(通常診察) |
| 診療時間 | 夜間救急 20:00〜翌2:00(電話受付は20:00から) |
| 対応動物 | 犬・猫 |
| 公式サイト | https://mc.aeonpet.com/tamc/ |
城西エリア北部をカバーする夜間救急施設です。通常診察は予約制で18:30まで。夜間救急は翌2時(26:00)までの受付となっています。
ALLONE八王子動物医療センター(八王子市)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 住所 | 東京都八王子市みなみ野1-7-3 フレスポ八王子みなみ野1F |
| 電話番号 | 042-683-1010 |
| 診療時間 | 24時間365日対応(通常診療 9:00〜20:00) |
| 対応動物 | 犬・猫 |
| 公式サイト | https://center.allone-ah.co.jp/ |
多摩エリアで24時間体制の診療を行っている施設です。CT装置やICU装置など高度医療機器を備えており、緊急手術にも対応できます。23区外にお住まいの場合は、こちらが最寄りの夜間救急になるケースもあるでしょう。来院前の電話連絡が必要です。
夜間救急と通常受診の違い
夜間救急は通常の動物病院とは異なる特徴を持っています。受診する前に知っておくと、当日の対応がスムーズになります。
| 項目 | 通常の診察 | 夜間救急 |
|---|---|---|
| 診療時間 | 9:00〜19:00前後 | 20:00〜翌6:00〜8:00(施設による) |
| 予約 | 予約制の病院もあり | 原則予約不要(電話連絡は必須) |
| 診察順 | 来院順が多い | トリアージ(重症度順) |
| 対応範囲 | 総合的な診療 | 応急処置・安定化が中心 |
| 費用 | 通常料金 | 割増料金(1.5〜3倍) |
| 継続治療 | 同じ病院で継続 | 翌日かかりつけ医に引き継ぎ |
夜間救急はトリアージ制(重症度順)で診察が行われます。先に到着していても、より重症の動物が搬送されてきた場合はそちらが優先されるため、待ち時間が発生することがあります。1から2時間待つことも珍しくないため、飼い主自身の体力も考慮して、水分や軽食を持っておくとよいでしょう。
夜間救急を受診する流れ
初めて夜間救急を利用する場合の一般的な手順です。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 電話連絡 | 病院に電話し、症状を伝える。受入可否と到着目安を確認 |
| 2. 移動 | キャリーバッグやケージに入れて安全に搬送する |
| 3. 受付 | 問診票を記入。かかりつけの情報があれば伝える |
| 4. トリアージ | 重症度に応じて診察の順番が決まる |
| 5. 診察・検査 | 獣医師による診察、必要に応じて血液検査やレントゲン |
| 6. 処置・治療 | 投薬、点滴、手術など状態に応じた治療 |
| 7. 会計・帰宅 | 翌朝かかりつけ医への引き継ぎが必要な場合もある |
電話の際は、動物の種類・年齢・体重、いつから症状が出ているか、嘔吐や下痢の回数、意識の有無、持病の有無などを簡潔に伝えてください。パニックになりがちな場面ですが、正確な情報が適切な対応につながります。
事前に準備しておくべきもの
ペットの急病はいつ起こるか分からないからこそ、元気なうちに準備しておくことが大切です。
| 準備すべきもの | 理由 |
|---|---|
| 夜間救急病院の連絡先リスト | 慌てているときにネット検索する余裕はない |
| 病院までのルート | カーナビへの登録やスマートフォンのお気に入り保存 |
| かかりつけ医の診察券 | 既往歴やアレルギー情報を夜間救急に伝えるため |
| 予防接種証明書のコピー | 病歴の把握に役立つ |
| 常用薬のリスト | 持病がある場合は薬の名前と用量をメモ |
| ペット保険の証券 | 夜間診療が保険適用か確認するため |
| キャリーバッグ | すぐ取り出せる場所に保管 |
| 大きめのタオル | 搬送中の保温や嘔吐物の処理に |
| 現金(2〜3万円) | 夜間はカード未対応の場合あり |
スマートフォンの連絡先に「夜間救急動物病院」として登録しておけば、緊急時にワンタップで発信できます。冷蔵庫に貼っておくのも昔ながらの方法ですが、家族全員が確認できるという意味では有効でしょう。
夜間救急の費用と保険の適用
夜間救急の診療費は通常の動物病院と比べて割高になります。深夜の人件費や緊急対応のための設備維持費が上乗せされるためです。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 夜間診察料 | 5,000〜15,000円 |
| 血液検査 | 5,000〜15,000円 |
| レントゲン | 5,000〜10,000円 |
| 点滴 | 3,000〜8,000円 |
| 入院(1泊) | 5,000〜20,000円 |
| 手術(緊急) | 50,000〜200,000円以上 |
夜間診察だけで1万円を超えることは珍しくありません。検査や処置が加われば3万から5万円台になるケースも一般的です。異物誤飲の内視鏡摘出や緊急開腹手術が必要になると、一晩で10万から30万円の費用が発生することもあります。
ペット保険に加入している場合、夜間救急の費用が補償対象になるかどうかを事前に確認しておきましょう。多くの保険では夜間救急の診察料も補償対象に含まれますが、時間外加算分は対象外となるプランもあります。保険証を忘れずに持参してください。
夜間の費用が心配だからといって受診をためらうのは危険です。動物は痛みを我慢する性質があるため、飼い主の目に異常として映った時点ではかなり悪化していることも少なくありません。
翌日のかかりつけ医への引き継ぎ
夜間救急での処置はあくまで応急対応です。翌朝にはかかりつけの動物病院を受診し、夜間救急で行った検査結果や処置内容を引き継ぐ必要があります。
夜間救急病院では、退院時に診療内容のサマリー(紹介状)を渡してくれるのが一般的です。これをそのままかかりつけ医に提出すれば、スムーズに経過観察や追加治療に移行できます。夜間に撮影したレントゲン画像や血液検査の結果も含まれているため、同じ検査を繰り返す無駄と費用を省けます。
入院を勧められた場合は、夜間救急病院にそのまま預けるか、翌朝かかりつけ医に転院するかの判断が必要になります。容体が安定していれば翌朝の転院で問題ないケースが多いですが、獣医師の判断に従うのが基本です。
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参考情報
東京の夜間救急動物病院の情報は、各病院の公式サイト(2026年4月確認)および東京都獣医師会の情報をもとにまとめています。診療費用の目安は夜間救急動物病院の一般的な料金帯を参考にしています。診療時間や対応状況は変更される場合があるため、受診前に必ず電話で最新情報をご確認ください。
ペットの急病は予告なく訪れます。東京都内にはTRVA動物医療センターや日本動物医療センターなど、夜間に対応してくれる動物病院が複数ありますが、緊急時に慌てて探すのは困難です。元気なうちに最寄りの夜間救急病院の連絡先を控え、搬送ルートを確認しておくことが、飼い主ができる最大の備えになります。
「大丈夫かな」と迷ったら、まず電話で相談する。その一歩が、愛するペットの命を守る行動につながります。