名古屋市は人口約230万人の中部地方最大の都市です。車社会で住宅地が広範囲に広がっているため、ペット可賃貸の選択肢は東京より幅広く、家賃を抑えながら広い部屋に住めます。SUUMOの掲載データではペット可・相談可物件が2万件以上あり、16区のどこに住んでも選択肢がゼロということはまずありません。

この記事では区別の家賃相場や散歩環境に加え、ペットの種類別おすすめエリアや近隣市の穴場まで紹介しています。

ペット可物件が多い名古屋の区一覧

家賃相場はペット可物件の価格帯です。

エリア1K〜1LDKの家賃相場2LDK相場ペット可物件の多さ特徴
名東区5.5〜7.5万円7.5〜10万円多い東山線沿線。牧野ヶ池緑地が近い
千種区6.0〜8.0万円8.5〜12万円多い覚王山・本山。住環境の質が高い
天白区5.0〜6.5万円6.5〜9万円多い家賃が安い。天白公園・相生山緑地
緑区4.5〜6.5万円6〜8.5万円多い市内最大面積。大高緑地のドッグラン
守山区4.5〜6.0万円6〜8万円やや多い小幡緑地。自然が残るエリア
瑞穂区5.5〜7.0万円7.5〜10万円やや多い山崎川の桜並木。都心まで15分
昭和区5.5〜7.5万円8〜11万円やや多い鶴舞公園に近い。商店街の活気
北区5.0〜6.5万円6.5〜9万円やや多い名城公園の北側。庄内川沿い

東京23区と比べると1LDKで月2〜4万円、2LDKで月3〜6万円ほど安い水準です。駅徒歩15分以上まで範囲を広げるとペット可の選択肢が一気に増え、駐車場付き物件を選んで車移動を前提にすれば駅距離にこだわる必要はありません。

ペットの種類別おすすめエリア

ペットの種類によって物件選びで重視するポイントは変わります。

ペットの種類おすすめの区理由
小型犬(チワワ、トイプードル等)千種区・瑞穂区住宅街の歩道が整備されており散歩しやすい。覚王山や山崎川沿いは信号が少なく犬連れ向き
大型犬(ラブラドール、ゴールデン等)緑区・守山区大高緑地の無料ドッグランに車でアクセスしやすく、2LDK以上が6万円台で借りられる広さと安さの両立
猫(室内飼い)天白区・北区1LDKが5万円台で見つかり、浮いた家賃でキャットタワーや脱走防止ネットに投資できる
多頭飼い(犬猫2匹以上)緑区・守山区家賃が安く広い間取りが見つかりやすい。2匹以上飼育OKの物件は郊外エリアに集中する傾向がある

多頭飼いの場合は物件ごとに条件が異なるため、内見前に飼育頭数と種類を必ず確認してください。

エリア別の住環境と散歩事情

名東区(藤が丘・一社・星ヶ丘)

東山線の藤が丘駅から星ヶ丘駅にかけての住宅地で、牧野ヶ池緑地(約147万平方メートル)や猪高緑地(約66万平方メートル)が区内に点在しています。東山線で名古屋駅まで20〜25分と通勤にも便利で、動物病院は区内だけで20軒以上。藤が丘駅周辺にはペットショップやトリミングサロンも集まっています。

千種区(覚王山・本山・池下)

覚王山日泰寺の参道にはペット連れで入れるカフェが点在し、平和公園(都市計画面積約147万平方メートル)ではメタセコイア広場周辺の遊歩道を犬連れで歩けます。本山駅は東山線と名城線の乗り換え駅で名古屋駅まで約15分。家賃はやや高めですが、住環境の質を考えれば妥当な水準でしょう。

天白区(植田・原・塩釜口)

鶴舞線沿線の住宅地で、名古屋市内でも家賃が安いエリアです。天白公園や相生山緑地は犬の散歩に適した遊歩道があり、ペット可の1Kが4万円台で見つかることも。名古屋駅までは鶴舞線で約25分。

緑区(大高・徳重・鳴海)

名古屋市最大の面積を持つ区で、大高緑地(約100万平方メートル)には無料のドッグランがあります。詳細は後述のドッグラン比較をご覧ください。桜通線の徳重駅周辺は商業施設が充実し築浅マンションも増加中。名古屋駅まで地下鉄で30分ほどかかりますが、家賃の安さと広い部屋を重視するなら有力な候補です。

守山区(小幡・大森)

名古屋市北東部に位置し、小幡緑地(守山区域 約49万平方メートル)や東谷山フルーツパークなど自然が残ります。2LDKのペット可物件が6万円台で見つかることもあり、車があれば生活しやすいエリアです。

瑞穂区・昭和区 ── 都心に近い散歩環境

瑞穂区は名古屋駅まで約15分の住宅地です。山崎川の約2.5kmにわたる桜並木は「日本さくら名所100選」にも選ばれ、桜の季節以外も緑豊かな散歩コースとして犬連れに人気があります。

昭和区は鶴舞公園(約24万平方メートル)に隣接し、御器所駅を中心に鶴舞線と名城線が交差する利便性の高いエリアです。1LDKのペット可物件が6万円台後半から見つかります。

大高緑地と庄内緑地 無料ドッグランの詳細比較

名古屋市内には無料ドッグランが2か所あり、どちらも予約不要で車でアクセスしやすい立地です。

比較項目大高緑地ドッグラン(緑区)庄内緑地ドッグラン(西区)
運営愛知県都市整備協会名古屋市(ボランティア運営)
エリア分けひろば1(約900m2、全犬種共用)+ ふれあいひろば(約250m2、小型犬向け)大エリア(約800m2)+ 小エリア(約300m2)
合計面積約1,150m2約1,100m2
利用時間6:30〜日没9:00〜16:45
定休日なし(年中無休)月曜・第3水曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始
地面の素材土+芝
利用登録不要(当日利用可)不要(当日利用可)
必要書類狂犬病予防注射済票+鑑札の装着、3種以上の混合ワクチン接種証明狂犬病予防注射済票、5種以上の混合ワクチン接種証明
1人あたりの頭数制限2頭まで2頭まで
設備犬用水飲み場、ベンチ、トイレマーカーベンチ
駐車場あり(無料)あり(無料)

大高緑地は朝6時半から使えるため出勤前のひと遊びにも向いており、ワクチン要件も3種以上と庄内緑地(5種以上)より緩めです。庄内緑地はドッグランボランティアが運営しており、現地でマナー案内も受けられるため、初めてドッグランを使う飼い主にも安心感があります。ただし利用時間が9:00〜16:45で月曜と第3水曜が定休のため、訪問前に開園日を確認してください。

名古屋近郊の穴場エリア ── 春日井市・長久手市・日進市

名古屋市内にこだわらなければ、通勤圏内の近隣市で家賃をさらに抑える選択肢もあります。

エリア1K〜1LDK相場2LDK相場名古屋駅までのアクセスペット環境の特徴
春日井市4.0〜5.5万円5.5〜7.5万円JR中央線で約25分落合公園(約24万m2)や朝宮公園など散歩スポットが多い。名古屋市内より1〜2万円安い家賃帯
長久手市5.0〜7.5万円7.0〜10万円リニモ+東山線で約40分愛・地球博記念公園(モリコロパーク)が徒歩圏内の物件あり。新興住宅地で築浅物件が豊富
日進市4.5〜7.0万円6.5〜9.5万円名鉄豊田線で約35分自然豊かな丘陵地帯。岩崎城址公園や天白川沿いの散歩コースが充実

春日井市はJR中央線で名古屋駅まで乗り換えなし約25分。2LDKが5万円台で見つかり、緑区・守山区よりさらに手頃です。長久手市は愛・地球博記念公園の芝生で犬を遊ばせられる環境が魅力。日進市は車なら名東区・天白区の動物病院も生活圏に入ります。

名古屋のペット可物件でよくある契約条件

名古屋のペット可物件で多い契約条件の傾向を把握しておくと物件選びがスムーズです。

敷金はペット飼育の場合、通常の1か月分に加えて0.5〜1か月分が上乗せされるのが一般的です。「ペット敷金」と呼ばれ、退去時の原状回復費用に充てられます。敷金ゼロの物件でも別途1か月分を求められることがあるため、契約前の確認が欠かせません。

飼育制限は「小型犬1匹のみ(体重10kg以下)」「猫は1匹のみ」「大型犬は不可」「多頭飼いは要相談」といったパターンが多く見られます。闘犬系の犬種(ピットブル、土佐犬等)は断られるケースも少なくありません。「ペット相談可」の物件は大家さんの判断次第で許可される余地があり、ポータルサイトで「ペット不可」と表示されていても不動産会社経由で交渉できることがあります。

猫飼いにとっての名古屋の住みやすさ

猫を飼っている方にとって、名古屋は住居費の安さと部屋の広さが大きなメリットです。東京の1Kと同じ予算(7〜8万円)で名古屋なら1LDKが借りられるため、キャットタワーやキャットウォークを設置する余裕が生まれます。車社会のため通院時にキャリーバッグで電車に乗せる必要がなく、車で動物病院に直行できるのも猫飼いには助かるポイントでしょう。

名古屋 vs 東京 ペットと暮らす月額コスト比較

駐車場代やペット関連の出費も含めた月額コストを、同条件(犬1匹、車あり、2LDK)で比較しました。

費目名古屋市(名東区)東京23区(練馬区)差額
家賃(2LDK、ペット可)約8.5万円約12万円-3.5万円
駐車場約0.7万円約2.5万円-1.8万円
動物病院(月1回の通院想定)約0.5万円約0.6万円-0.1万円
フード・おやつ約0.5万円約0.5万円同程度
トリミング(月1回)約0.5万円約0.6万円-0.1万円
ペット保険約0.3万円約0.3万円同程度
合計約11.0万円約16.5万円-5.5万円

月あたり約5.5万円、年間にすると約66万円の差です。住居費と駐車場代の差が大きく、フードやペット保険は全国ほぼ同額。浮いた分をペットの医療貯蓄やプレミアムフードに回せるのは名古屋ならではの利点です。

名古屋の犬の散歩スポット

名古屋市内の主な散歩スポットを整理しました。

スポット広さドッグラン特徴
牧野ヶ池緑地名東区約148万m2なし池を囲む散策路。ジョギングコース併設
大高緑地緑区約100万m2あり(無料)大型犬・小型犬エリア分離。6:30〜日没
猪高緑地名東区約66万m2なし里山の自然が残る。野鳥観察も可
平和公園千種区約147万m2なしメタセコイア広場。季節感ある散歩
小幡緑地守山区約49万m2なし3つのエリアに分かれた緑地
庄内緑地西区約47万m2あり(無料)大800m2+小300m2。9:00〜16:45
名城公園北区約80万m2なし名古屋城隣接。tonarino併設

散歩スポットのペットルールは変更される場合があるため、初めて訪れる公園では公式サイトで最新情報を確認してください。動物病院は名東区・千種区・昭和区に多く、市全体で200軒以上。名古屋市獣医師会の公式サイトで区別の一覧を確認できます。

よくある質問

Q. 名古屋市内に無料のドッグランはありますか?

大高緑地(緑区)と庄内緑地(西区)の2か所に無料のドッグランがあります。どちらも登録不要で当日利用でき、大型犬・小型犬エリアが分かれています。大高緑地は朝6時30分から利用可能で、ワクチン要件も3種以上とやや緩めです。車でのアクセスがしやすい立地で、名古屋の犬飼いには定番のスポットです。

Q. 名古屋近郊の春日井市は名古屋中心部への通勤に不便ですか?

JR中央線で名古屋駅まで乗り換えなし約25分で、中央線の快速利用なら約20分程度です。名古屋市内の名東区・天白区より家賃が1〜2万円安く、2LDKが5万円台で見つかることもあります。車通勤なら動物病院も名古屋市内の施設を生活圏に含められる距離感です。

Q. 名古屋と東京でペット可物件のコストはどれくらい違いますか?

2LDK・車あり・犬1匹の想定では、月額合計で名古屋が約11万円、東京(練馬区)が約16.5万円と月5.5万円の差があります。年間で66万円の差になり、浮いた分をペット保険や医療費に充てる余裕が生まれます。特に家賃と駐車場代の差が大きく、フードやトリミング代はほぼ全国同額です。

Q. 「ペット相談可」の物件を交渉する場合、何を伝えると許可されやすいですか?

飼育しているペットの種類・体重・ワクチン接種状況、去勢・避妊手術の有無、これまでのペット飼育歴を具体的に伝えると交渉が進みやすくなります。ペット保険への加入や、敷金の上乗せに同意する意思を示すと、大家が許可しやすい環境が整います。飼育規則の書面化を申し出ると誠実さが伝わる場合もあります。

Q. 多頭飼いの場合、名古屋ではどのエリアで探すのがよいですか?

緑区や守山区が選択肢が広いです。2LDK以上が6万円台で見つかるケースがあり、広い間取りをペット複数匹で使える環境が確保しやすい地域です。「多頭飼い可」の物件は郊外エリアに集中する傾向があるため、物件探しの段階で頭数と種類を不動産会社に明示して絞り込むのが効率的です。

関連記事: ペット可賃貸の探し方。効率よく見つける5つのコツ 関連記事: 名古屋の猫カフェおすすめ7選。栄・大須・今池エリア別ガイド 関連記事: 名古屋のドッグカフェ7選。犬と一緒にモーニングからランチまで

参考情報

家賃相場はSUUMO・HOME’S・CHINTAI等の不動産ポータル掲載データ(2026年4月確認)に基づく概算値です。近隣市の家賃はHOME’S・ホームメイト掲載データ(2025年12月時点)を参考にしています。大高緑地ドッグランの利用条件は愛知県都市整備協会、庄内緑地は庄内緑地公式サイトの情報に基づきます。動物病院数は名古屋市獣医師会の登録情報を参考にした概数です。月額飼育費用はアニコム「家庭どうぶつ白書」およびペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」を参考にした目安です。

名東区・千種区は物件数と住環境のバランスに優れています。家賃を抑えたい場合は天白区・緑区・守山区にも目を向けると、2LDKが6万円台で見つかることもあります。春日井市や日進市まで範囲を広げればさらに1〜2万円安い物件に出会えるかもしれません。

駐車場込みでも東京より月5万円以上安く住める名古屋は、大高緑地や庄内緑地の無料ドッグランにも車でアクセスしやすく、犬飼いにとって暮らしやすい都市です。仲介手数料を抑えるサービスで浮いた初期費用をペットの生活環境に回すのもおすすめです。