湘南海岸は、茅ヶ崎のサザンビーチから辻堂、鵠沼、片瀬海岸まで約7kmの海岸線を犬と一緒に歩ける関東屈指のロングウォークコースです。海水浴場の開設期間(例年7月上旬〜8月末)を除けば、リード着用で砂浜を自由に散歩できます。烏帽子岩や江の島を眺めながら、波の音をBGMに歩くひとときは、湘南ならではの贅沢な犬散歩体験です。

この記事では、エリアごとのペットルール、体力や犬のサイズに合わせた3つの散歩コース、潮汐を活かした歩き方のコツ、犬連れで入れる周辺カフェをまとめました。

(本記事の情報は2026年4月時点の各自治体公式サイト・現地案内・各店舗公式情報に基づいています。海水浴場の規制や店舗情報は年によって変わるため、訪問前に最新情報をご確認ください。)

エリア別のペットルール

湘南海岸の犬連れルールは、時期とエリアによって異なります。

エリアペット同伴備考
サザンビーチちがさきリード必須。海水浴場開設期間は遊泳区域内不可
辻堂海岸リード必須。海水浴場開設期間は遊泳区域内不可
鵠沼海岸リード必須。海水浴場開設期間は遊泳区域内不可
片瀬海岸(東浜・西浜)リード必須。海水浴場開設期間は遊泳区域内不可
海岸沿い遊歩道通年リード着用で散歩可
県立湘南海岸公園リード必須。噴水広場・芝生広場あり
辻堂海浜公園リード着用で園内散歩可。芝生広場が広い

サザンビーチちがさき海水浴場は例年7月第1土曜日から8月31日まで開設されます。この期間中、遊泳エリアに犬を連れて入ることはできません。鵠沼海岸や片瀬西浜も同様の制限があります。

遊泳区域以外の砂浜であれば夏場も犬連れで歩けますが、海水浴客が多い時期はトラブル防止のために避けるのが無難です。

潮汐を味方につける散歩術

湘南海岸の砂浜歩きは、潮の満ち引きで快適さが大きく変わります。この点を解説している情報は少ないのですが、実際に歩くとその違いに驚くはずです。

干潮時は波打ち際の砂が海水で締め固められ、まるで舗装路のような硬さになります。犬の足が砂に沈まず、スムーズに歩けるため、小型犬やシニア犬でも疲れにくいのが利点です。砂浜の幅も広がり、サーファーや他の散歩客と距離を取りやすくなります。

満潮に近い時間帯は波が陸側まで寄せてくるため、歩ける砂浜の幅が狭まります。陸寄りの乾いた砂はサラサラして足を取られやすく、体力の消耗が大きくなります。大型犬なら問題ありませんが、チワワやトイプードルのような小型犬には負担が大きい場合があります。

潮の状態砂浜のコンディションおすすめの犬
干潮前後波打ち際の砂が硬い。幅が広く歩きやすい全犬種。小型犬・シニア犬にも好適
中潮波打ち際は歩けるが幅がやや狭い中型犬〜大型犬向き
満潮前後乾いた砂がメイン。足を取られやすい体力のある中〜大型犬向き

潮汐の時刻は「潮MieYell(しおみエール)」や気象庁の潮位表で確認できます。「湘南 潮見表」で検索すると、江の島を基準にした当日の干潮・満潮時刻が出てきます。散歩に出かける時間を干潮の前後1〜2時間に合わせると、砂浜のコンディションが良い状態で歩けます。

おすすめ散歩コース3選

コース1: サザンビーチ〜辻堂海岸(約3km / 所要60分)

茅ヶ崎のサザンビーチちがさきを起点に、東へ辻堂海岸まで歩くルートです。スタート地点では背後に烏帽子岩が見え、正面に江の島がうっすら浮かぶ景色が広がります。

国道134号線と海の間に広がる砂浜は幅が広い区間が多く、ほかの散歩客と距離を保ちやすい環境です。途中にヘッドランド(T字型の突堤)が数か所あり、越える際は遊歩道側に回り込む必要がありますが、出入口は随所にあるため迷うことはありません。

小型犬から大型犬まで無理なく歩ける距離で、初めて湘南海岸を犬と歩く方にはこのコースがおすすめです。折り返し地点の辻堂海浜公園にはトイレと水飲み場があり、休憩を取るのにちょうどいい場所です。

コース2: 辻堂海岸〜鵠沼海岸(約2km / 所要40分)

辻堂海岸から東に進み、鵠沼海岸まで歩くルートです。サーファーが多いエリアで、波に乗る人たちを砂浜から眺める楽しみもあります。

鵠沼海岸は県立湘南海岸公園の一部で、噴水広場、芝生の広場、ウッドデッキが整備されています。砂浜を歩いてきた犬の足を芝生の上で休ませるにはちょうどいい場所です。鵠沼海岸駅から海までは徒歩5分と近く、ここを起点にするのも便利です。距離が短いため、シニア犬や小型犬にも向いています。

辻堂海浜公園を起点にする場合は、公園内の約1kmの舗装された散歩ルートを歩いてから砂浜に出るプランもあります。舗装路はアップダウンがほとんどなく整備が行き届いているため、カートやバギーでも問題なく歩けます。

コース3: フルコース 茅ヶ崎〜片瀬海岸(約7km / 所要2時間〜2時間半)

サザンビーチから鵠沼海岸を経て、片瀬海岸まで海岸線を歩き通すロングコースです。片瀬海岸に到着すると正面に江の島が大きく迫り、長距離を歩ききった達成感が格別です。

片瀬海岸からは小田急片瀬江ノ島駅が徒歩3分。茅ケ崎駅周辺に車を停めている場合でも、片道歩きで電車に乗って戻れます。途中で疲れたら辻堂や鵠沼海岸から電車で引き返す選択肢もあり、途中離脱できるのが湘南海岸ルートの利点です。

7kmの砂浜歩きは見た目以上に体力を消耗します。ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーのような体力のある中〜大型犬に向いたコースです。飲み水は途中で補給しにくいため、500ml〜1Lを持参してください。

季節ごとの楽しみ方と混雑状況

季節おすすめ度混雑気温・砂浜の状態
春(3〜5月)ベストシーズン空いている気温15〜20度。砂の温度も安全
夏(6〜8月)早朝限定非常に混む砂が50〜60度に。日中の散歩は厳禁
秋(9〜11月)ベストシーズンやや混む海水浴場の規制解除。夕日が美しい
冬(12〜2月)条件付きで良い空いている海風が冷たい。晴れた日は富士山が見える

春(3〜5月)はロングウォークに最適です。砂浜の温度が安全な範囲に収まり、どの犬種でも安心して歩けます。ただし春は風が強い日が多く、砂が舞いやすいため犬の目に入らないよう注意してください。GW期間中は海岸沿いの道路が渋滞しやすく、駐車場の確保が難しくなります。

夏(6〜8月)は最も制約の多い季節です。日中の砂浜は50度を超えることがあり、犬の肉球が火傷する危険があります。湘南ルアナ動物病院の注意喚起によると、夏場のアスファルトや砂浜での肉球の火傷は来院理由として珍しくないとのこと。散歩するなら6時台に出発して8時前に切り上げるスケジュールがおすすめです。海水浴場の開設期間中は遊泳区域に立ち入れないため、歩けるエリアも限られます。

秋(9〜11月)は春に並ぶベストシーズンです。海水浴場の規制が解除されて砂浜を自由に歩ける範囲が広がります。相模湾に沈む夕日を背景にした散歩は、この季節ならではの体験です。10月以降はサーファーの数も落ち着き、砂浜に余裕が出てきます。

冬(12〜2月)は海風が冷たい一方、晴れた日の日中は日差しに暖かさを感じます。烏帽子岩の向こうに雪を被った富士山が浮かぶ風景は、冬の湘南ならではのものです。寒さに弱いイタリアン・グレーハウンドやチワワなどの犬種には防寒着を着せてあげてください。冬は海岸が空いているため、犬を思い切り走らせたい方には穴場のシーズンです(ロングリード着用推奨)。

海辺の散歩で気をつけたいこと

肉球の火傷に注意

手の甲を砂に5秒間押しつけて、熱くて離したくなるようなら犬を歩かせてはいけません。5月下旬〜9月上旬の晴れた日は日中の砂浜散歩を避けてください。靴を履いている飼い主は気づきにくいのですが、犬の肉球は裸足と同じ状態です。犬用のシューズやブーツを履かせるのもひとつの対策になります。

海水の飲みすぎは危険

波打ち際で遊ぶと犬が海水を舐めることがあります。少量であれば問題ありませんが、大量に飲むと食塩中毒(高ナトリウム血症)を引き起こす可能性があります。散歩中はこまめに真水を飲ませ、海水に口をつけないよう注意してください。折りたたみ式の水飲み皿があると砂浜での給水がスムーズです。

砂浜の危険物

ガラス片、貝殻の破片、釣り針などが砂に埋もれていることがあります。犬が口にすると口内や消化管を傷つける恐れがあるため、拾い食いのクセがある犬は特に注意が必要です。

散歩後のケア

海水浴後は真水で犬の体全体を流してください。塩分が皮膚や被毛に残ると、かゆみや皮膚トラブルの原因になります。耳の中に砂や海水が入っている場合もあるため、帰宅後に耳掃除をしてあげると安心です。肉球にケガや傷がないかの確認も忘れずに。

周辺の犬同伴カフェ4選

湘南エリアは愛犬家が多い土地柄もあり、犬連れで食事ができるカフェが充実しています。散歩の前後に立ち寄れるお店を紹介します。

サザンビーチカフェ(茅ヶ崎)

サザンビーチの目の前に立つカフェで、屋根のあるテラス席が犬同伴可です。籐のソファー席とテーブルが並び、テラスと遊歩道の間に植栽があるため、通行人を気にせず過ごせます。大型犬やペットバギーでもゆとりのある広さです。営業時間は2026年5月時点で日〜木 8:00〜20:00。サザンビーチ起点の散歩前後に使いやすい立地です。最新情報は公式サイトで確認してください。

MOKICHI TRATTORIA(茅ヶ崎)

湘南最後の蔵元として知られる熊澤酒造が運営するイタリアンレストラン。築450年の古民家を移築した建物で、緑に囲まれたテラス席が犬同伴可です。石窯で焼くピザと自家製の生パスタが名物で、湘南ビールや日本酒も楽しめます。駐車場は向かいに80台分あり、車で来る方にも便利です。雨天時はテラス席が利用できない点に注意してください。

DOG DEPT CAFE 湘南江ノ島(藤沢)

片瀬海岸エリアにあるドッグカフェで、店内に犬と入れるだけでなく、ルーフテラスにドッグランが併設されています。ドッグランは小型犬と大型犬のエリアに分かれており、海と江の島を見渡せるロケーションです。犬用メニューもあり、フルコースを歩ききった後のご褒美スポットとして人気があります。カフェ利用5,000円以上でドッグラン無料になるサービスもあります。

湘南T-SITE(藤沢)

蔦屋書店を中心にした商業施設で「ドッグフレンドリー」を掲げています。蔦屋書店やスターバックスのテラス席が犬同伴可で、敷地内各所にリードフックが設置されています。無料で借りられるドッグカートもあり、併設のGREEN DOG & CATではペットフードやグッズも購入できます。辻堂駅から徒歩圏内のため、辻堂海岸を起点にした散歩と組み合わせやすいスポットです。

店舗の犬同伴ルールは変更される場合があるため、訪問前に各店舗の公式サイトやSNSでご確認ください。

アクセスと駐車場

海岸沿いに最寄駅が複数あり、片道歩きで電車で戻れるのがこのルートの大きな利点です。

駅名路線海岸までおすすめの使い方
茅ケ崎駅JR東海道線・相模線徒歩約20分サザンビーチ起点のスタート地点
辻堂駅JR東海道線徒歩約15分辻堂海岸・辻堂海浜公園へ。湘南T-SITEも徒歩圏
鵠沼海岸駅小田急江ノ島線徒歩約5分最も海に近い駅。短縮コースの起点に
片瀬江ノ島駅小田急江ノ島線徒歩約3分フルコースのゴール地点

JR東海道線とJR湘南新宿ラインは犬をキャリーバッグやクレートに入れれば乗車可能です。小田急線も同様のルールで、手回り品として持ち込めます。大型犬の場合は車でのアクセスが現実的です。

エリア駐車場名・目安料金
サザンビーチ周辺茅ヶ崎海岸中海岸駐車場ほか平日500円〜 / 土日祝1,200円〜(1日)
辻堂海浜公園東駐車場・西駐車場(営業5:00〜21:00)最初の1時間430円、以降30分220円。1日最大1,250円
鵠沼海岸周辺湘南海岸公園西部駐車場ほか30分220円〜 / 1日最大900円〜3,000円
片瀬海岸片瀬海岸地下駐車場(200台)時間制。江の島観光客と競合で混雑しやすい

夏季(7〜8月)は駐車料金が通常の2〜3倍に跳ね上がるエリアがあります。犬連れの散歩目的であれば、春・秋・冬の方が駐車場の確保も料金もずっと楽です。辻堂海浜公園の駐車場は収容台数が多く、平日であればほぼ確実に停められます。

持ち物チェックリスト

砂浜歩きでは通常の散歩とは違う準備が必要です。忘れやすいものをまとめました。

持ち物理由
飲み水(500ml〜1L)砂浜には水飲み場がない。海水を飲ませないために必須
折りたたみ水飲み皿砂浜でペットボトルから直接飲ませるのは難しい
うんち袋(多めに)砂浜は公園よりゴミ箱が少ない
タオル(2枚以上)足拭き用と体拭き用。海水で濡れた場合にも
真水入りペットボトル(体洗い用)散歩後に塩分を洗い流す。2L程度あると安心
犬用シューズ夏場の砂浜やガラス片対策。無くても可だが安心
日よけ用のクールウェア5〜9月の散歩に。犬は体高が低く地面からの照り返しを受けやすい
リード(ロングリード不可の場合あり)通常リード必須。ロングリードは周囲の状況を見て判断

参考情報

各施設の情報(利用時間・料金・ペットルール)は茅ヶ崎市・藤沢市の公式サイトおよび各公園の管理情報(2026年4月確認)に基づいています。海水浴場の開設期間と規制範囲は各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。カフェの犬同伴ルールは各店舗の公式情報・SNS(2026年4月確認)を参照しています。辻堂海浜公園の駐車場料金は神奈川県立辻堂海浜公園公式サイト(2026年4月確認)、肉球の火傷に関する注意喚起は湘南ルアナ動物病院の記事を参照しています。

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問い合わせ先

湘南海岸のペットルールや海水浴場の規制については、各自治体にお問い合わせください。

項目内容
茅ヶ崎市0467-82-1111(茅ヶ崎市役所代表)
藤沢市0466-25-1111(藤沢市役所代表)
辻堂海浜公園公式サイト
茅ヶ崎市公式サイト茅ヶ崎市
藤沢市公式サイト藤沢市