横浜市は18の行政区を持つ政令指定都市で、ペットの飼育世帯数も全国トップクラスです。動物病院の数は市全体で約400院にのぼりますが、区によって病院の密度や診療内容に差があります。

引越しや住み替えを検討しているペットの飼い主にとって、近くに信頼できる動物病院があるかどうかは住まい選びの重要な条件です。東京23区と比較して家賃が2〜4万円ほど抑えられるエリアも多いため、費用と医療環境のバランスを取りやすいのが横浜の魅力でしょう。この記事では、横浜市内の動物病院の分布と、エリアごとの特徴を整理しました。

横浜市の区別動物病院数と医療環境

横浜市内の主要な区における動物病院の概算数と特徴です。

区名動物病院数(概算)特徴
青葉区約50院ファミリー層が多く、病院の数・質ともに充実
港北区約35院新興住宅地で新しい病院が増加中
都筑区約35院ニュータウン地区。設備の新しい病院が多い
戸塚区約35院面積が広く、分散して立地
鶴見区約30院京浜工業地帯に近いが住宅街にも点在
中区約25院みなとみらい周辺。高度医療対応の病院も
磯子区約20院やや少なめ。隣接区の病院も選択肢に
金沢区約20院海沿いのエリア。南部は病院が少ない
旭区約25院住宅地が広がり、地域密着型の病院が多い
瀬谷区約15院緑が多いが病院数は少なめ

青葉区と港北区は、横浜市の中でも特にペットの飼育世帯が多いエリアです。田園都市線沿線の住宅街には動物病院が密集しており、徒歩圏内に複数の選択肢がある地域も珍しくありません。青葉区のたまプラーザやあざみ野周辺は、東京の世田谷区に匹敵するペット医療インフラが整っています。

一方、市の南部や西部の区では動物病院の数がやや少ない傾向にあります。車がないとアクセスが難しい立地もあるため、引越し前に最寄りの動物病院までの距離を確認しておくのが賢明です。

横浜市の夜間・救急動物医療の体制

ペットの急病やケガは、時間帯を選びません。横浜市内の夜間対応体制を知っておくことは、飼い主としての備えになります。

横浜市には「DVMsどうぶつ医療センター横浜」があり、夜間の救急診療に対応しています。所在地は神奈川区沢渡2-2 第二泉ビル2F(TEL: 045-320-9099)で、横浜駅からのアクセスが比較的良好です。救急診療時間は20:00〜翌3:00、二次診療は9:00〜19:00です。

確認項目内容
夜間救急の診察料5,000〜15,000円(時間外加算含む)
電話連絡来院前に電話で症状を伝えるのが必須
対応動物犬・猫が中心
支払い方法現金・カード対応は施設による
翌日の引き継ぎ診療サマリーをかかりつけ医に提出

通常のかかりつけ医が休診の時間帯に利用できるこうした夜間病院の存在は、エリア選びの安心材料になります。ただし、横浜市内の夜間対応施設は限られているため、自宅から夜間病院までの所要時間を把握しておくことが大切です。青葉区や都筑区からは車で30〜40分、鶴見区や港北区からは20分程度が目安でしょう。

夜間病院はあくまで応急処置が中心です。翌日以降にかかりつけ医で改めて診察を受ける流れが一般的なので、夜間病院とかかりつけ医の両方を確保しておくのが理想です。

かかりつけ動物病院の選び方

横浜市のように動物病院が多いエリアでは、かえって「どこを選べばいいかわからない」と悩む飼い主も多いでしょう。

かかりつけ医を選ぶ際に重視したいポイントをまとめました。

ポイント理由確認方法
自宅からの距離緊急時にすぐ行ける距離が理想。車で15分以内が目安Googleマップでルート検索
診療時間仕事帰りに通えるか。土日診療の有無病院のホームページ
得意分野犬・猫・エキゾチックなど、自分のペットに合った病院か診療科目を確認
説明の丁寧さ治療方針を分かりやすく説明してくれるか初診で判断
設備レントゲン・エコー・血液検査など院内で対応できるか病院のホームページ or 電話で確認
セカンドオピニオン高度医療への紹介ネットワークがあるか獣医師に質問
費用の透明性料金表の掲載や処置前の見積もりがあるかホームページ or 初診時に確認

初診の際にいくつかの病院を比較してみるのも有効な方法です。ワクチン接種(5,000〜10,000円)や健康診断(5,000〜15,000円)のタイミングで2〜3院を受診し、説明の仕方や院内の雰囲気、待ち時間などを実際に体感した上で決めると、長く通えるかかりつけ医に出会いやすくなります。

獣医師への質問として「夜間に急変した場合、どこを受診すればいいですか」と聞いておくのも忘れずに。提携先の夜間病院を教えてもらえることが多く、紹介先であれば引き継ぎもスムーズです。

横浜市の高度医療・専門病院へのアクセス

一般的な動物病院では対応が難しい疾患や高度な手術が必要な場合、専門病院や二次診療施設への紹介が行われます。

横浜市内およびその近郊には、循環器、腫瘍、整形外科、眼科、皮膚科などの専門科を持つ動物病院がいくつか存在します。かかりつけ医から紹介してもらう形が一般的ですが、セカンドオピニオンとして直接予約できる施設もあります。

高度医療施設の多くは港北区・都筑区の新横浜エリアや、中区のみなとみらい周辺に集中しています。万が一の事態を考えると、これらの施設へのアクセスが良いエリアに住んでいることは一つの安心材料です。

専門分野費用の目安備考
CT検査50,000〜100,000円全身麻酔が必要な場合あり
MRI検査80,000〜150,000円神経疾患の精密検査に使用
専門手術200,000〜500,000円整形外科、腫瘍摘出など
心臓エコー(専門)10,000〜20,000円循環器専門医による精密検査

専門病院の費用は一般の動物病院より高めですが、ペット保険でカバーできる場合もあります。加入している保険が二次診療施設に対応しているかどうかは、事前に確認しておいてください。

ペット飼育に適した横浜のエリア比較

動物病院の充実度だけでなく、散歩環境やペット可物件の多さも含めた総合的な観点から、ペット飼育に適した横浜のエリアを整理します。

エリア動物病院散歩環境ペット可物件家賃相場(1LDK)
青葉区(たまプラーザ周辺)充実公園が多いやや多い9〜13万円
港北区(日吉・綱島周辺)充実鶴見川沿い多い9〜12万円
都筑区(センター北・南)充実緑道が豊富多い(新築物件も)10〜14万円
神奈川区(横浜駅周辺)やや多いみなとみらい方面ビジネス系が多い10〜13万円
戸塚区普通舞岡公園など比較的安い物件も7〜10万円
旭区(二俣川周辺)やや多いこども自然公園安めの物件あり7〜9万円

都筑区のセンター北・センター南エリアは、港北ニュータウンの計画的な街づくりによって緑道や公園が充実しており、犬の散歩に適した環境が整っています。横浜市営地下鉄でアクセスでき、新横浜にも近いため高度医療施設へのアクセスも良好です。動物病院も新しい施設が多く、ペット飼育世帯にとっては住みやすいエリアでしょう。

青葉区はペットフレンドリーな雰囲気が街全体に漂っており、犬連れで入れるカフェやレストランも点在しています。東京の世田谷区や渋谷区へのアクセスも良いため、東京勤務でペットと暮らしたい方にも選ばれやすいエリアです。

費用を抑えたい場合は、戸塚区や旭区が選択肢になります。動物病院の数はやや少なめですが、車があれば周辺エリアの病院もカバーできます。舞岡公園やこども自然公園など大きな公園があり、犬の散歩環境としては申し分ありません。

横浜でペットの医療環境を重視した引越し先選び

引越し先を検討する際に確認しておきたい医療環境のチェックリストです。

チェック項目確認方法
自宅から徒歩20分以内に動物病院があるかGoogleマップで検索
候補の病院の診療時間は自分の生活リズムに合うか病院のホームページ
夜間救急病院まで車で何分かカーナビでルート確認
ペット保険の窓口精算に対応しているか保険会社の提携病院リスト
専門病院(二次診療施設)へのアクセスかかりつけ候補の病院に質問

ペットと暮らす住まい選びでは、家賃や間取りだけでなく医療環境まで含めた「暮らしやすさ」で判断することが後悔の少ない選び方です。

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横浜市は動物病院の総数が多く、エリアによっては選択肢に困らない恵まれた環境です。特に青葉区・港北区・都筑区は病院数、散歩環境、ペット可物件のいずれも充実しており、ペットと暮らすには理想的なエリアといえます。東京と比べて家賃が抑えめなエリアが多い点も、横浜を選ぶ大きなメリットでしょう。

引越し先を決める際は、最寄りの動物病院までの距離と夜間対応施設へのアクセスを必ず確認してください。ペットの健康を支える医療環境は、住まい選びの見落とされがちな要素ですが、長い目で見ると大きな安心材料になります。

参考情報

この記事の動物病院数は、横浜市獣医師会の会員病院検索(2026年4月確認、全18区合計240院)、EPARKペットライフ(横浜市382件)、Calooペット(横浜市394件)の掲載情報をもとにした概算値です。獣医師会非加盟の病院も含むため、各区の数値は獣医師会データより大きくなっています。実際の病院数は開院・閉院により変動します。家賃相場はSUUMO・HOME’S掲載の横浜市内1LDK物件データを参考にしています。夜間救急の情報はDVMsどうぶつ医療センター横浜の公式サイトを参照しています。